HSPで繊細なのに、人を見下すって矛盾していない?
他人の意見や視線を気にしがちな繊細さんのはずが、他人への評価はズバズバ行うことがあります。
実際に私も人を見下しがちだと自覚するまで時間がかかりました。
今回はHSPで人を見下す人の原因や、今日から変わる方法をお話しします。
『人を見下してしまう。そんな自分がもっと嫌になる』
そんな悩みを持っている人は、今から話す対応策が役に立つはずです。
“HSPだと人を見下す説”を検証【私の場合】
私は他人からの視線や言動に人一倍、敏感に過ごしていました。
それがHSPの一種だということに気づいてから、心がフっと楽になったのを今でも覚えています。
そんな私ですが、実は心の奥底で他人を見下していたことにも気づきました。
『HSP=繊細で優しい』というイメージがあるかもしれませんが、そう単純な話でもないんですね。
① HSPだと他人といると疲れる
HSPの特徴の一つに、コミュニケーションのストレスがあります。
他人の言動に過敏に反応するからこそ、何気ない会話でもグッと疲れてしまうんですね。
私も人が集まる場所を避けたり、深いコミュニケーションをしない傾向がありました。
自分の家でゆっくり過ごした方がリラックスできる
そんな思いから、少しずつ人付き合いを減らしていったんですね。
参考⋙HSPだと人と会うと疲れる!話すと消耗する原因と回復方法
② そうはいってもHSPは一人でいることもストレスになる
仕事終わりなどは、一人でいた方が体も心も充電できている感じがありました。
ただ休日などは、ずっと一人でいると孤独感が襲ってきます。
そうはいっても『断られたらどうしよう』と思い、勇気を出して誘えない。
たまに誘われても『コミュニケーション疲れ』を心配して断ってします。
このように人付き合いが減ると、孤独感が増えていくんですね。
『人といるのは疲れるはずなのに、一人も辛い』という矛盾が生じました。
③ 寂しさや正当化のために他人を見下し始める
孤独感に襲われてから、私は少しずつ他人を見下し始めます。
楽しそうにしている人を見て、『何が楽しんだ!』とか心の中で思ったり。
本音では羨ましい感情や、誰かに認められたい承認欲求があったんだと思います。
でもそういった本音に蓋をして、他人を攻撃して自分を正当化していました。
『HSPだし仕方ないよね』と、自分を納得させるのに必死だったんです。
このようにHSPが他人に攻撃的になるのは、珍しいことではありません。
ではどうすれば、こんな自分にサヨナラできるのか。
次は人を見下す原因と対策について見ていきましょう。
HSPで人を見下す過去【私の場合】
- 人付き合いを避けるようになる
- 孤独感が増す
- 寂しさから人を見下すようになった
HSPで人を見下すときの原因をタイプ別に分析
繊細で過敏だからこそ、穏やかな人が多いのに、なぜ人を見下すのか。
次はHSPで人を見下す原因を具体的に見ていきます。
あなたはどのタイプに当てはまりますか。
① 羨ましいという嫉妬から人を見下す
まず先ほどの私のように、本音では『羨ましい』という感情がある場合について。
認められたいとか、嫉妬という本音を隠すために他人に攻撃的になるという心理です。
もともと怒りといった感情は、二次感情と言われています。
本音(第一感情)に蓋をした結果、他人への攻撃的な思考や言動になるんですね。
『もし全ての願いが叶うとしたら…』と考えてみましょう。
理想の自分が周囲の人と仲良くする姿だったら、嫉妬から攻撃的になっている可能性があります。
② これまでの自分を正当化して劣等感を抑えたい
人を見下すクセがある人は、劣等感が強いタイプと言われています。
優劣コンプレックスといって、他人と比較することで優越感や劣等感を感じやすい人のこと。
劣等感を感じたくないために、すぐ他人の劣っているところを見つけて見下す。
こうすることで優越感に浸ることもできるし、他人より自分が優れている感覚が得られるんですね。
『つい人と比べてしまう』という思考のクセがある人は人を見下しやすいです。
③ HSPの知覚を理解できない人を見下す
HSPは他人がスルーする刺激を感じ取る能力があります。
例えば遠くの方の音や、ささいな匂い、光の強さなどですね。
自分の感覚では確かにそこにある刺激のはず。
それなのに多くの人は、そういった微量の刺激には気づくことはありません。
『自分は気づけるものに他人は気づけない』
この過敏さが人を見下すキッカケに繋がるパターンもあります。
『なんで他の人はわからないの?』
『そうか自分が優れているのか!』
このように考えれば、人を見下しやすくなります。
④ 相手のささいな一言で防衛本能が働く
HSPだと他人の何気ない一言で、傷つくことってありますよね。
相手に悪気があったわけではないのに、深読みしたり裏読みして心にダメージが残る。
こういった他人の言動に過敏に反応する人は、防衛本能として人を見下しやすいです。
つまり傷つけられる前に、相手を見下すことで、ダメージを減らそうしているんですね。
相手を見下せば、その相手からの言動も真に受ける必要はなくなります。
『こんな人の言うことなんて気にしなくていい』という感じ。
参考⋙HSPと合わない人を避けて波長が合う人との巡り合う方法
⑤ 苦手な人をかぎ分ける能力が高い
他人のささいな言動を察知する能力が高いと危険人物も見分けやすくなります。
場の雰囲気を壊す人だったり、無神経な人って一緒にいるだけで疲れますよね。
そういった人を普段から警戒していると、人を見下す傾向も強くなります。
他人の粗探しをして『ちょっと距離を置こう』と、離れてしまうんですね。
こういった対応は無駄にコミュニケーションで疲れないというメリットに繋がります。
ただ第一印象ですべてを決めると、自分も他人からそう判断されると考えてしまいます。
するとより一層、他人からの言動が気になるという悪循環になるので注意したいですね。
HSPで人を見下す人のタイプ
- 嫉妬や承認欲求を隠している
- 優劣コンプレックスを持っている
- 五感への刺激が優れている
- 他人の言動で傷つきやすい
- 危険な人を察知している
HSPで人を見下すクセを辞めたいときの3ステップ
最後はHSPで人を見下すクセの治し方を紹介します。
私も人を見下すクセが完全に0になったわけではありません。
ただ次の3ステップを行えば、思考のクセが減ったのは確かです。
その分だけ自分を責めたり、コミュニケーションでストレスを感じることも減りました。
① 人を見下したときに気づく力をつける
一番大切なのが、思考の誤ったクセが起きたときに気づくこと。
無意識に人を見下したとき気づけなければ、それを治すこともできません。
なので『つい見下したとき』を自覚するのが、最初のステップになります。
私はこの気づく力をマインドフルネスで養いました。
マインドフルネスとは?
今ここにある思考や感情に気づき受け入れること。メンタルの安定にも効果がある
人を見下す自分というのは、あまり褒められた姿ではありません。
でもそういった自分に気づき受け入れることで、自分を卑下することが無くなりました。
② なぜ人を見下したのか本音を探す
人を見下したときに気づいたら、それをメモしておきます。
そして夜など時間があるときに、なぜそのシチュエーションで見下してしまったのかを考えましょう。
本音を探すコツは『なぜ』と問い続けること。
例えば私の場合は以下のような嫉妬が隠されていました。
見下した原因を探る
- 同僚を見下してしまった
- なぜ?⇒周囲の人と仲良くしているから
- なぜ?⇒自分といるときは楽しそうにしない
- なぜ?⇒本当はもっと職場の人と仲良くなりたい
このように『なぜ』『どうして』を繰り返して掘り下げると本音にたどり着けます。
頭で考えるより紙に書いた方が、思考もスッキリしやすいですよ。
③ 1%だけ改善する行動をとる
人を見下す本音に気づいたら、次はその本当の願望に近づく努力をします。
ただいきなり言動をガラッと変えたり、習慣を変えるのって難しいですよね。
なので私が心掛けていたのが1%の改善でした。
あと1%だけ改善するには何をすればいいか?
たった1%だけの行動なら、少しの勇気で取り組むことができます。
私の場合は本音で『もっと仲良くなりたい』と思っていたので、以下の行動を実践しました。
私が挑戦した1%の改善
- 人を見下した後に、相手の良いところを見つける
- 本当は仲良くなりたいので、こちらから挨拶をする
- 職場で疲れて良そうな人にコーヒーをおごる
ささいな行動ばかりなので、一気に状況が改善することはありません。
ただ1%の改善なら今日からでも取り組めるし、それを1週間・1ヶ月続けたら大きな成果になります。
人を見下すクセの治し方
- 見下したときに気づいて受け入れる
- なぜ見下したのか、本当の原因を探る
- 今の状況を1%だけ変える行動を起こす
HSPでも人を見下すことはある!受け入れ改善することが可能
HSPは何となく『穏やか』や『他人に優しい』というイメージがあります。
ただ周囲からの刺激に弱かったり、他人の言動に過敏に反応するという面があるんですね。
そういった特徴から人を見下すクセが生まれることも珍しくありません。
もし『人をつい見下してしまう』と悩んでいるなら、まずは見下した瞬間に気づけるようになりましょう。
そして『なぜ見下してしまったのか』の本音を探り、その本音から状況が改善する1%の行動を実践します。
このように行動を少しだけ変えることで状況も変わり、あなたの自己嫌悪も良くなりますよ。
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