HSPだと面接が苦手な人が多いです。
自己PRが上手く話せない繊細さんや、面接官と相性が悪く泣くケースも。
面接が得意な人は稀ですが、苦手なまま放っておくとキャリアに影響が出ますよね。
そこで今回は『HSP向けの面接対策』について解説します。
まずは繊細な人はなぜ面接が苦手なのかを自覚すること。
そしてHSP向けの練習やコツを実践して、面接に慣れていきましょう。
HSPは面接が苦手な理由!繊細さと自己PRについて
なぜHSPだと面接に苦手意識があるのか。
繊細さが面接の場や、自己PRに向いていない原因を探りましょう。
面接が苦手な原因がわかれば、対処もしやすくなりますよ。
① HSPの察知力!面接官の言動が気になってしまう
HSPは些細な言動を察知する能力に長けています。
これは人間関係を円滑に進めるために活かせるHSPの特性。
ただ面接の場となると、面接官の言動を気にしすぎる原因となります。
相手からの評価を憶測しすぎて不安が大きくなる。
すると目の前の受け答えに集中できなくなるんですね。
- 何かマズイことを言ったのかな
- もう無理だ挽回できない
このように勝手に推測して、間違った予測を立て面接を不利にしてしまう。
この場合はまず、自分が話す内容に集中するようにしましょう。
その上で初対面の人との会話や、社会人との会話を増やして場慣れするのもオススメです。
② HSPの共感性!他の応募者の緊張や不安がうつる
HSPは共感力が高い人が多いです。
周囲の人の感情に共感して、自分も相手の感情や気分に寄せていってしまう。
これは傾聴力を高めたり、相手からの信頼を得るというメリットがあります。
一方で面接の場ではデメリットに働くこともあるんですね。
例えばグループ面接で、他の就活生の緊張がうつってしまうとか。
もともと面接会場はピリピリした緊張感があります。
その中で他の学生の緊張や不安も感じ取ってしまうと、パフォーマンスを落とす原因となります。
ストレスが高まると余計に過敏になる傾向があります。
なので面接の場で体の緊張を取る呼吸法や、マインドフルネスを実践するのがおすすめ。
自分だけに意識を集中すれば、共感力に影響されることも少なくなるので。
③ HSPの思考のクセ!失敗が怖い完璧主義
HSPは深く思考する人が多いです。
情報を細かく分析したり、イマジネーションが高いのが特徴。
ただ細かく思考しすぎて完璧主義になりやすいんですね。
面接で完璧主義になると、1つ1つのミスに動揺してしまいます。
イレギュラーな質問に戸惑ったり、練習通りに話せなかっただけでドキドキが高まってしまう。
周りと比較して落ち込んだり、同級生で面接が上手くいった人に焦りや嫉妬を持つことになるので注意。
この場合はまず、面接の質疑応答で完璧を求めないことが重要です。
受け答えも丸暗記するのではなく、要点を伝えることに集中すること。
そして1つ1つ面接を振り返り、改善点を見つけ修正していくクセを作りましょう。
準備の段階で100点を目指すのは無謀です。
そうではなく1点ずつ改善して、加点していくような加点主義がおすすめ。
ミスした箇所よりも成長している自分を実感して、自信に繋がり面接でも落ち着いて対応できますよ。
④ HSPは他者評価が気になる?面接官に評価される不安
HSPは繊細さゆえ、他人の表情や言動の変化を察するのも得意です。
その察知力が面接では悪い方向に進むことがあるんですね。
面接中に面接官の表情や仕草が気になりすぎる。
そうなると相手からの評価にビクビクして、本来の実力を発揮できなくなります。
この場合は自分の主張を伝えることに集中するのが大事。
あとは模擬面接などで慣れていき、本命の企業の面接まで場慣れすることで改善できます。
⑤ HSPは自己主張が苦手?面接中に話していると混乱する
HSPは相手を尊重することが多いです。
なのでこれまでの会話でも、自己主張の機会が少なかったかもしれません。
それが面接での自己アピールも、苦手意識に繋がることがあります。
感情が出すぎて上手く話せなくなったり、遠回しでアピールになっていないなど。
この場合は理論的な話し方を知って、受け答えのテンプレートを作りましょう。
そして無理に自己アピールしようとせず、数字などを使ってアピールするのが良いです。
事実をそのまま伝えて、それが結果的にアピールに繋がるのが理想ですね。
HSPが面接に苦手なワケ
- 察知力が高く面接官の言動が気になる
- 共感力が高く他の候補生の緊張がうつる
- 完璧主義で1つのミスで動揺する
- 他者評価が気になって集中できない
- 自己主張する経験が少ないので混乱する
HSPが面接で泣く理由について
では面接でつい泣いてしまうHSPは、どんな心情なのか。
面接で泣くことはマイナスに働くことはあっても、プラスに働くことはありません。
事前に泣きそうになる原因を突き止めれば、事前に対策を打つことができますよ。
① HSPは過敏さゆえ面接中の感情がコントロールできなくなる
面接の場は緊張感で溢れています。
あなた自身はもちろん、他の応募者の緊張感も伝わってくる空間。
一度きりの勝負で、15分ほどで人生が決まってしまうというイベント。
そんな緊張感から、感情のコントロールが上手くいかなくなることがあるんですね。
特に完璧主義だと自分を追い込んでいく思考が生まれやすいので注意しましょう。
『絶対に失敗はできない』とか、『完璧に受け答えしよう』と力むと空回りしがち。
まずは”体の緊張をほぐす呼吸法”を試すのがおすすめです。
その上で事前に、よく聞かれる質問に対する回答を用意しておくこと。
(このステップは後で解説しています)
感情はコントロールできませんが、行動はコントロールできます。
そして人生を決めるのは感情ではなく行動。
つまり行動を修正することに意識を集中すれば、動揺して泣くこともなくなりますよ。
② HSPは繊細さゆえ集団面接で他人と比べ焦りが出る
他人と比べて落ち込みやすいのも繊細さんの特徴の1つ。
特にグループ面接だと、周りの応募者の受け答えも聞こえてきますよね。
そうすると実績や話し方などを見て、『自分よりすごい』と思ってしまう。
結果的に焦って動揺して、感情的になり泣きたくなってしまいます。
この場合はまず、比較するときの人間の心理を把握すること。
人は他人と比較するとき、自分のダメなところと他人のいいところを比べます。
こんな比べ方をしていると、劣等感が生まれるのも当然。
あなたが周りが優秀だと思っているように、周りもあなたを優秀だと思っているんですね。
それに面接では優秀な人から順に結果がでるわけではありません。
あくまで会社と人材の相性を見極める場でもあります。
なので他人と比べたときは、比べたことに気づき深呼吸をしましょう。
そして『自分の伝えるべきこと』に意識を戻します。
やるべき行動に意識を集中すれば、他人と比べて泣きそうになることもありません。
③ HSPは面接官との相性が悪いと涙が出る?圧迫面接が苦手
面接の中にはHSPに不向きなものがあります。
例えば圧迫面接だったり、高圧的な態度をとる面接官の場合ですね。
これは厳しい質問を投げかけることで、応募者がどのように対応するかを見るのが目的。
ただ圧迫面接はHSPさんにとっては刺激が強すぎます。
特に初めての体験ではパニックを起こして、涙が出てしまうかもしれません。
こんなときは、あなた自身も企業を評価しているという自覚を持ちましょう。
面接というのは、あくまでお互いの相性を見極める場所です。
なので圧迫面接をするような会社で働きたくないなら、こちらから拒否しても良いんですね。
応募した全ての会社で結果を出す必要はありません。
どうしても相性は存在するので、苦手な面接官に遭遇したときは割り切りも必要になります。
面接官の意見が正解であるとは限りません。
新卒の離職率の高さから見てもわかるように、面接官も正確に判断はできないんですね。
④ 本気になると感情を抑えて自己主張できなくなる
HSPは本気になると感情があふれ出てきます。
普段は冷静だけど、いざとなったら抑えていた感情が溢れ出てくる。
面接でも本気で伝えようとすると、つい感傷的になってしまうことがあるんですね。
過去の辛かった体験や、頑張った感動体験を話していると当時のことを思い出す。
するとつい泣いてしまうなんてことは面接の場でもありえます。
恋人とのやり取りでも泣く人に多いですね。
思っていることを言葉にしようとすると泣いてしまうタイプ。
この場合はエピソードを話すときや熱意を伝えるときに、客観性を持つのが大事です。
相手が理解しやすいように数字など判断しやすい材料を使うこと。
そうすれば主観的でなくなり、いい意味で俯瞰して自己アピールができるようになりあmす。
⑤ HSPは過去の面接の失敗を思い出しやすい
何度か面接をしていると辛い経験をすることもあるでしょう。
最終面接まで進んだのに落ちたり、第一希望の企業に受からなかったり。
そんな過去の失敗経験を重ねると、次の選考でも嫌な思い出がよぎります。
そして過去の思い出と一緒に、ネガティブな感情も沸き起こってしまう。
そうなると選考途中で涙が出てくることもあるんですね。
『またダメだ』、『もう自分には無理だ』
そんな思考に惑わされるとパフォーマンスも落ちて、いい結果が出ません。
そうすれば『やっぱり』と思考が正しいと思って、次の面接も上手くいかないという悪循環に陥ります。
この場合はいろんな就職活動の方法を試すことをおすすめします。
例えばエージェントに紹介してもらうものや、企業がスカウトするタイプの就活など。
就活生が応募して選考する以外の就職活動をすれば、また違った経験ができますよ。
社会に出たあとも失敗経験はあります。
そんなときは物事を多角的に見て、1度の経験を真実にしないことが重要になります。
面接で泣く原因
- 緊張で感情がコントロールできなくなる
- 他の応募者と比べて落ち込む
- 圧迫面接などでテンパる
- 本気になり感傷的になる
- 過去の失敗を思い出す
HSPが面接で上手く話せないときの練習法
では今度は次回以降の面接で、上手く話すための練習方法を見ていきましょう。
HSPの場合はじっくり時間をかけて考えたり、少しずつ練習して経験を積むスタイルが向いています。
それを踏まえると、次の3つのステップに分けるのが良いですよ。
① 面接でよく聞かれる質問の答えを要約して準備しておく
まずは面接でよく聞かれる質問の答えを準備しましょう。
すべての質問に即興で答える必要はありません。
…というより面接で聞かれる質問はパターンがあります。
HSPの準備力を活かして、事前に家でゆっくりと考えておきましょう。
パターン化された質問
- 自己PRをしてください
- 志望動機を教えてください
- 学生時代にがんばったことは何ですか
- 長所と短所を教えてください
このときに答えを用意するのと同じく、具体的なエピソードも準備すると良いです。
なぜなら回答したあとに、面接官から『そう思ったキッカケは?』と聞かれることが多いから。
説得力を増すためにも、志望動機や長所・短所などのエピソードも思い出しておくといいですよ。
回答文を用意するときは、PREP法を意識すると良いです。
これはビジネスで良く使う主張の仕方。
PREP
- Point 【結論】
- Reason 【理由】
- Example 【具体例】
- Point 【結論】
この順番で語ると、相手が理解しやすく説得力をもたらせることができます。
最初は面倒かもしれませんが、全てこのテンプレートに沿った方が慣れると楽になります。
PREPの例
- 【結論】 私は周りから「分析が上手」とよく言われます。
- 【理由】 これは現状を把握して課題を見つけて改善するのが得意だからです。
- 【具体例】 当時のエピソード
- 【結論】 このように現状を分析して課題を見つけ、それをクリアしていくことが得意です
② HSPなら面接の経験は少しずつ踏んでいこう
よくある質問への回答を準備したら、次は話し方の経験を積んでいきます。
ただいきなり面接へいけば緊張するし、冷静に判断ができません。
そこでオススメなのが、少しずつ負荷を上げていく練習になります。
まず最初は自分の部屋で面接を想定して話してみる。
それをスマホで撮影して、あとで自分で見直して改善点を見つけていきましょう。
慣れてきたら次は、友人や家族に見てもらうのも良いですね。
YouTubeで模範面接をしている人のマネをするのも良い練習になります。
このように自宅で面接の想定をして、練習し経験を積んでいきます。
自己主張や自己アピールすることに慣れたら、次のステップへ進みましょう。
③ 面接を練習してフィードバックを得て改善する
次は実際に面接にトライしていきます。
ただ志望度が高い面接をするのは緊張が増す。
そこでまずは志望度が低い面接に応募していきましょう。
落ちてもそこまでショックではない企業になります。
内定をもらえたら精神的にも落ち着けるし、落ちても落ち込まないはず。
実践で練習の成果を出し、そこでまた改善点を見つけてクリアしていきます。
改善点とは?
- 本番だと焦って話すのが早くなる
- 相手に聞き返された⇒話し方がまとめられていない
- ボディランゲージが少ないかも?
このように実践を繰り返して改善をすれば、少しずつ面接のパフォーマンスは上がります。
自信がついてきたら志望度が高い企業
面接対策
- よくある質問への答えを準備する
- 部屋で模擬面接をする
- 志望度が低い企業の面接で練習する
HSPで面接がどうしても無理なときの対応
練習はしたけど、それでも緊張する。
そんなときは意識を少しだけ変えられないか試してみましょう。
面接官・就職活動を少し多面的に見ると、違った部分が見えてきます。
① 面接官は完璧じゃない!だから自分もジャッジする
面接官も人です。
だからどんな人材が自分の会社に必要か、完全に把握しているわけではありません。
なので合否の判断も間違うことがあります。
それに採用された新卒も、3年以内で3割が辞めますよね。
本当に自分の会社に合う人を採用できてるなら、こんなに辞めないはず。
だから面接官の判断が正しいとは限らないことを認識しましょう。
そしてその上で応募者のあなた側も、企業をジャッジする視点を持ちます。
実際に会社の中に入って従業員の働き方を見てみる。
お互いの希望が重なったときに、その会社で働く選択肢が出てきます。
選考に落ちたのは、あなたの能力や人格に問題があるわけではありません。
あくまで相性が悪かったと割り切るのも、気持ちを切り替えるのに重要です。
② 面接への意識を変える!いろんな就活を考えよう
応募して面接を受けるだけが就職活動ではありません。
面接への苦手意識が消えないときは、いろんな就職活動の選択肢を検討しましょう。
例えば企業が応募者を探すスカウト型の就活があります。
これは企業が就活生にアプローチするという逆求人型の就活サイトのこと。
スカウトされた側なので、選考がスムーズに進むことが多いです。
どんな業界から応募が多いかで、自分の強みや有利な業界を知ることができますよ。
また助言などが欲しいなら、エージェント型の就職活動もあります。
これは専任の就活アドバイザーが学生を見極めて、就活をサポートしてくれるもの。
大学のキャリアセンターと似た仕組みですね。
「転職のプロ」が運営しているので、どういった業界が合っているか教えてもらえます。
またそれ以外でも、正社員登用のバイトをするという方法もあります。
実際に働いて、その仕事や職場が合うか確かめることができるのがメリット。
仕事は真面目にできるけど、アピールが苦手な人にオススメの就職活動と言えますね。
実際にこういった就職活動をしなければいけないわけではありません。
ただ多面的に見ることで、可能性が見えてきます。
いろんな方法があると知るだけで、追い込まれているような感覚は薄くなりますよ。
どうしても苦手なとき
- 面接官も完璧じゃないことを自覚する
- スカウト型.エージェント型の就職活動を検討する
HSPは面接で泣くことも!繊細さは長所にも短所にもなる
HSPだからといって、就職活動が必ず不利になるわけではありません。
思考力や分析力を活かせば、改善を重ねて納得いく結果を出せる可能性は高いです。
ただ緊張や不安をそのままにしておくと、面接で力を発揮するのは難しいでしょう。
まずは何が不安か、何が苦手かを自覚すること。
そしてそれを改善するために、今からできることを1つずつトライするのが大切です。
次はこちら≫HSPだと大学はしんどい?辛いときの対応
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