HSPだからといって、正社員に向いていないわけではありません。
繊細さんは人口の5人に1人の割合でいると言われています。
特性を活かせば、正社員の仕事でも活かせるものはあるはず。
ただ職場で刺激が多かったり、人間関係のストレスがあれば大変です。
人一倍疲れやすいので、フルタイムで働くのが無理と感じるかも。
今回は『繊細さと働き方』について解説。
なぜHSPは正社員で働くのが難しいと判断するのか。
その理由や改善案を考えながら、将来的には転職や独立なども視野にいれると良いですよ。
HSPに正社員が向いていない?無理でなはい理由
HSPだからといって正社員として働けないわけではありません。
それは正社員の割合や、HSPの割合を見ればわかります。
さらに繊細さや共感力を活かせる仕事もありますよ。
① 日本で働く人の正社員の割合とHSPの割合
まずは日本で働いている人の正社員の割合を見ていきましょう。
総務省の調査によると、雇用主のうち、正規雇用者の割合は63%でした。
これは役員を除いた割合となります。
そして非正規雇用者の割合は37%。
非正規雇用の約7割はパート・アルバイトとなっています。
一方でHSPの割合は、日本では全体の約15%~20%と言われています。
日本人は国民性もあって、HSPの割合は多く約5人に1人が該当するんですね。
(ちなみに男女比は1対1で均等と言われています)
この数字を見ると、繊細さんの割合が多いことがわかりますよね。
なのでHSP全員が非正規雇用ということは考えられません。
繊細さを持ちつつ正社員として働いている人も大勢います。
むしろ仕事内容によっては、繊細さや過敏さを活かせる仕事もあるんですね。
② HSPの特性が活かせる相性のいい仕事は存在する
HSPの特性は繊細さや共感力があります。
これらは仕事でも活かせるスキルですよね。
HSPの特性
- 考え方が複雑で、深く考える
- 刺激に敏感
- 人の気持ちに共感しやすい
- 五感が鋭い
例えば”聞く作業”が重要な仕事は、繊細さん向きと言えます。
お客さんの困っていることや悩みを聞き取る力ですね。
傾聴力が発揮できる仕事
- カウンセラー・臨床心理士
- 整体師・鍼灸師
- エステティシャン
- 介護士
- 看護師
- コーチング
また情報を細かく察知する能力や、五感の鋭さを活かせる仕事もあります。
人以外に接するときに、繊細さが発揮されますよ。
繊細さが発揮できる仕事
- 花屋・造園士
- 農業・林業
- 各種デザイナー
- ペットトリマー
- ペットトレーナー
- ペットシッター
- 動物園・植物園
生き物と向き合うのが苦手な繊細さんでも大丈夫。
モノと向き合う仕事であれば、共感力で困る心配もありません。
モノと向き合う仕事
- 工場の軽作業
- 自動車整備士
- 運転・デリバリー
- 事務作業
- 研究員
- ITエンジニア
- Webデザイナー
このように正社員募集がある求人の中には、HSPの特性が発揮できるものも多いです。
なので『HSPだから正社員は向いていない』と諦める必要はありません。
ただ非HSPの人と比べて、疲れやすいシチュエーションがあるのも事実。
そこで次はHSPがフルタイムで働いてキツイと感じる理由を見ていきましょう。
HSPだと正社員は無理?
- 正社員の割合は労働者の約7割
- HSPの割合は約2割
- つまりHSPで正社員として働く人も多いはず
- 実際にHSPの特性を活かせる職業も多い
HSPで正社員がつらい?フルタイムがきつい理由
繊細さを活かせる仕事はある。
ではなぜ実際に働いてみるとキツイと感じるのか。
HSPさんがフルタイムや正社員として働くときの壁を見ていきましょう。
働き方・立場・人間関係の3つに分けると、アルバイトなどとは違う負担になります。
① HSPだと職場の刺激が多くて体力がもたない
HSPが正社員として働くときに辛いのはペース配分です。
周囲の刺激の影響を受けやすい繊細さん。
周りの言動にも感情を左右されるし、取引先などには気を遣わないといけませんよね。
急に忙しくなったり、予定がキャンセルされ急に暇になることもあります。
このように仕事に慣れるまでは、ペース配分が乱されてしんどいと感じやすい。
職場で残業だけでなく、飲み会など仕事以外の交流もあると余計に疲れは取れません。
何個もある仕事に優先順位を付けて取り組まないといけない。
マルチタスクのままだと、HSPの場合は疲労しやすいんですね。
② HSPは出世したくない?正社員だと責任も大きくなる
責任や立場という点で見ても、アルバイト時代とは変わってきます。
正社員になると、企業を背負う1人の人間として立ち振る舞わなければいけません。
アルバイトの子を指導して育成することもあるでしょう。
正社員の中でも後輩ができたり、立場が上になるほどプレッシャーも大きくなる。
真面目で第三者の立場にたって物事を考えるHSPさんは、出世するとストレスも感じやすいです。
HSPさんは責任感が強いので、信頼を集めて出世する可能性はある。
でも昇進したこと自体が、必ずしもいい方向に進むとは限らないんですね。
③ HSPは職場の人間関係や組織が苦手
正社員になりフルタイムで働くと、職場の人間関係から受ける影響も大きくなります。
アルバイトやパートだと数時間だけなので、イライラしても対処できる。
ただ正社員になり週5で何時間も一緒にいると、疲れる相手も出てくるんですよね。
職場の人間関係のストレス
- 機嫌の悪い上司がいる
- 先輩が高圧的で質問しにくい
- 社内派閥がある
- 出世争いに巻き込まれる
- 結婚や子供などマウントを取られる
こういった職場でのストレスは、仕事をする上で避けられない部分ではあります。
自分に関係ないことでも、周囲のイライラに共感してしまうのは繊細さんの特徴。
なのでまずは、仕事中にこまめに1人になれる時間を作ること。
どうしても苦手な人間関係があるなら、将来的には転職なども視野にいれましょう。
HSPが正社員になって辛いこと
- フルタイムで働くペース配分ができない
- 昇進や出世をするとプレッシャーが大きくなる
- 職場の人間関係や組織に合わせるのが苦痛
HSPだから正社員が無理!フルタイムで働けないと感じたとき
では正社員やフルタイムで働くのが辛いと感じたらどうすればいいのか。
問題を視覚化すれば悩みを減らせたり、広い視野で考えることができますよ。
① 仕事での悩みを書き出す!時間や努力で解決するか考える
1つも悩みがない仕事なんてありません。
ただ解決できない悩みがあると、必要以上にストレスを感じるもの。
なので最初はあなたを悩ませる仕事の悩みを書き出していきましょう。
仕事の悩み(例)
- 上司がネチネチ行ってくる
- 先輩と相性が合わない
- 後輩が同じミスをする
- 飲み会に参加したくない
- ノルマが嫌
- 電話対応が苦手
- 満員電車が嫌い
- 残業が多い
これらの悩みは、残念ながら全てを解決できないかもしれません。
でも一部を減らしたり、負担を少なくすることはできるはずです。
仕事の悩み(例)
- 上司がネチネチ行ってくる
⇒上司の上司に相談する - 先輩と相性が合わない
⇒仕事に関することだけ話す - 後輩が同じミスをする
⇒マニュアルを作って渡す - 飲み会に参加したくない
⇒2回に1回は断る(特定の曜日など) - ノルマが嫌
⇒次回の人事面談で営業以外を希望する - 電話対応が苦手
⇒自分だけのマニュアルを作る - 満員電車が嫌い
⇒時間を1本早くしたり車両を変える - 残業が多い
⇒仕事の依頼を1日1つ断る
一気に解決しようとすると、周囲への対応をガラっと変える必要があります。
それってリスクがあるし、周りの人も『どうしたの?』と困惑するはず。
なのでまずは少しだけ負担を軽くできないかを考えて行きましょう。
今週のストレスを100としたら、来週は99にできたら成功。
再来週は98にできるように接してみるなど、少しずつ減らしていく方法なら実行しやすいです。
特に繊細さんはお願いを断ったり、誰かを頼るのが苦手な人が多い。
簡単なものだけ断ったり、少しだけ誰かを頼って『それでもいいんだ』と気づくことが大切です。
② HSPが感じる職場での刺激や働き方の負担を減らす
次は職場での刺激を減らしていきましょう。
小さな刺激でも、週に5日もフルタイムで働くと負担も重くなります。
五感の中でも特に苦手な刺激を減らせるように、対応を変えてみませんか?
五感の刺激を減らす
- 職場が臭い
⇒デスクに消臭グッズを置く,マスクにアロマを垂らす - うるさい
⇒人の声は聞こえる耳栓を使う許可をもらう - まぶしい
⇒ブルーライトカットの眼鏡を使う - 寒い・暑い
⇒重ね着で対応する
あとは周囲の雑音から逃げるためにも、一人になれる時間を作るのも大事。
短時間でも良いので、ふっと一息つく時間を作りましょう。
ひとり時間の作り方
- トイレの個室へ行く
- お昼は屋上で食べる
- 買い出しをしてコンビニへ行く
- 駅から会社までの間に公園など自然に触れる
HSPの特性の中には五感への過敏さがあります。
過敏になる⇒刺激に悩む⇒イライラする⇒より過敏になる
このように悪循環になるので、便利グッズは有効活用しましょう。
もし耳栓を探しているなら、以下の記事も参考にしてください。
③ 将来的には転職や独立を考える
悩みを減らしつつも、将来的には転職や独立を考えるのも良いです。
本気で転職やフリーランスをするつもりはなくて構いません。
ただ転職活動をしたり、副業を調べると可能性が広がるんですね。
『この会社で我慢して働くしかない』と思わなくてよくなります。
実際に行動に移すかはそのときに決めればOK。
今後のキャリアなども含めて考えることで、心がフッと軽くなりますよ。
HSPが正社員で辛いとき
- 悩みを少しだけ減らす方法を考える
- 職場の刺激を減らす
- 1人で入れる回数を増やす
- 将来的には転職や独立を考える
HSPでフルタイムがきついときの将来的な代案
最後は参考までに、正社員以外での働き方を紹介します。
働き方に関しては、どれか1つに絞る必要はありません。
① フルタイムでも責任や残業がない派遣をする
正社員の責任が嫌なら派遣で働く方法があります。
データ入力など仕事が決まっていることが多いですよね。
昇進はないかもしれませんが、その分だけ気軽に働くことができます。
次に話す副業やお小遣い稼ぎも併用できますし。
② 本業になる可能性がある在宅ワークに取り組む
派遣だけだと収入が少ない
そんなときに検討するのがフリーランスという選択肢。
ただ独立したからといって、急に名指しで仕事の指名が入るわけではありません。
自称フリーランスで収入0の状態が続くのも問題ですよね。
(だから最初に派遣を紹介しました)
私がオススメするのは、最初は副業から始めること。
将来的に本業になるような在宅ワークを始めて、タイミングを見てフリーランスになるという戦略です。
本業になりえる副業
- Webデザイナー
- 動画編集
- ハンドメイド
最初は安価な案件に応募してコツコツと取り組みスキルを磨く。
それをSNSで発信していたら、どこかのタイミングで指名が入るようになります。
飽き性な人も在宅ワークや副業なら、いろんな案件に取り組めますよ。
③ アルバイトやお小遣い稼ぎで補填する
フリーランスになると収入は不安定になります。
今月は忙しかったのに、来月は急に暇になることもざら。
こうなると働くペース配分が乱れてしまうんですよね。
そこでオススメなのが、いろんな稼ぎ方を並行させること。
例えばクラウドサービスに登録しておくと、独立時も案件に応募できます。
またポイ活をしてお小遣い稼ぎをするのも良いですよね。
生活費には回せませんが、自分のお小遣いくらいなら十分に稼げます。
おすすめのポイ活
- ポイントサイト
- アンケートモニター
- 覆面調査員
- 試供品モニター
働く量を一定にすれば、マイペースに取り組むことができます。
暇すぎる時期は、自分から進んで案件に応募してみましょう。
正社員以外の働き方
- 責任を軽くしたいなら派遣
- フルタイムを辞めたいならフリーランス
- 在宅ワークなら働く量も調節できる
HSPだから正社員が向いていないわけではない!つらいなら自分流の働き方を探す
繊細で過敏だと、フルタイムで働くと体力的にも精神的にもきついことはあります。
でもだからといって『HSPだから正社員が無理』というわけではありません。
まずは減らせる負担や刺激から減らしていきましょう。
その上で対人関係なども、少しずつ接し方を変えてみましょう。
将来的には転職や独立を考えるのも、今の職場にこだわるストレスから解放されます。
ただすぐ効果を感じられるのは、今の職場で少し楽な働き方を探すことですよ。
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次はこちら⋙HSPは仕事ができないの?働くときの意識改革
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