『HSP=営業に向いていない』というわけではありません。
確かに打たれ弱いタイプや、コミュ力に自信が無い繊細さんは辛いと感じるかも。
ただHSPの情報処理能力や共感力が活きれば、営業職で活躍できるチャンスはあります。
今回はそんな『HSPと営業の相性』について紹介。
営業の中でも繊細さんが取り組みやすい仕事内容も見ていきます。
もし営業がどうしても疲れるなら、営業以外の働き方も今のうちに知っておくと良いですよ。
HSPは営業に向いている?営業職が楽しい瞬間
HSPの特性が営業で活きる場面があります。
繊細さんの洞察力や共感力、思考力などは営業職でも発揮できますよ。
① HSPには洞察力がある!他人の言動をくみ取る力が営業に活きる
繊細さんは他人の細かな言動をくみ取る能力に長けています。
少しの表情の変化だったり、声色の変わりを見逃しません。
そういった洞察力は、営業の場面で活かすことができますよね。
お客様の表情や仕草からニーズや本音をくみ取る。
商品を売るべきなのか、まだ説明が足りてないのか、その駆け引きに使えます。
プライベートでは周囲の言動の影響を受けるというデメリットもあります。
ただ仕事上では洞察力を活かして、営業での駆け引きに使えるんですね。
これは営業の成績にも数字として表れることだし、社内の評価にも繋がる強みです。
② HSPには共感力がある!営業マンはヒアリングも重要
HSPには他人の感情に寄りそう共感力もあります。
この共感力を使えば、取引先との信頼関係が築けるんですね。
営業職といっても、取引先と仕事の話をするだけではありません。
相手もいきなり社内の悩みを打ち明けるほどお人好しではないはず。
世間話をしたり、当たり障りのない会話から信頼関係を築いていきます。
そんな何気ない会話でも共感力を発揮すれば、相手の心は開いていくもの。
お客様がポロっと本音を話したり、困っている状況が聞けるかもしれません。
そうなれば営業マンの腕の見せ所になります。
『あなたから買いたい』と言ってもらえるなど、最強の信頼関係が築けるかも。
相手の話に親身になって寄り添う。
そういった優しさや気遣いは、繊細さんならではの特性です。
カウンセラーに向いていると言われるのも、この共感力が関係しているんですね。
その共感力を傾聴力に変えれば、営業の場面でも活かすことができますよ。
③ HSPには思考力がある!情報処理能や準備をする
HSPは細かい情報を察知したり、深く考える特性があります。
この特性を活かすことができれば、論理的思考で考えることも可能に。
クライアントの問題をロジカルに考えて、自社サービスで解決へ導く。
プレゼンなども事前にしっかり準備して臨むので、いい結果も得られやすいです。
また自分自身の仕事についても、ロジカルに考えて改善していけますよね。
PDCAを回せば、どんどん仕事の質を高めることができます
PDCA
- PLAN 計画を立てる
- DO 営業に取り組む
- CHECK 評価と分析
- ACTION 改善する
営業という世界では、数字でハッキリと成果がでます。
そうすれば昇進や給与UPなど、評価もついてきますよ。
HSPが営業に向いている点
- 洞察力から営業の駆け引きができる
- 共感力からクライアントの悩みを聞きだす
- 思考力からPDCAを回し改善できる
HSPは営業に向いてない面もある?繊細さんがしんどい場面
一方で繊細さが営業でマイナスに働くこともあります。
とくに周囲の言動や評価が気になると、HSPさんは委縮しやすいんですね。
そうなると行動力が減ったり、集中の妨げとなります。
① HSPだと営業の失敗が怖い?他人の評価や拒絶が嫌
営業では失敗がつきものです。
営業の失敗とは”拒絶”のこと。
ハッキリとクライアントから断られるので、精神的に辛いです。
精神的に図太い人はケロッとしていますが、繊細さんは別。
人格を否定されたかのように落ち込んでしまうんですね。
こうなると失敗ありきの営業はHSPにとって難しくなります。
失敗しやすい営業
- 新規営業
- 電話営業
- 飛び込み営業
さらにノルマがあると数字にもこだわらないといけない。
他人とも比較しやすいし、精神的なプレッシャーとなり襲い掛かってきます。
営業に興味があるけど、断られるのは怖い
こんなときは新規以外の営業に目を向けましょう。
ルート営業などであれば、先ほどのような繊細さを活かした働き方も可能です。
営業で車を使うときは、運転中をリラックスタイムにするのもおすすめ。
② HSPは営業で顧客に売り切れない?押し切れない優しさ
HSPは優しくて穏やかな人が多いです。
それは人と信頼関係を築くときには重要。
ですが営業で、”あともう一押し”するときは邪魔になるかもしれません。
“強引に売り込んでいるのかも”と、引け目を感じてブレーキをかけてしまうんですね。
自分に自信が無い場合や、自社商品に自信が無いとより消極的になります。
強引に売り込む必要はありません。
ただ顧客の悩みを自社サービスで解決できるなら、それをアピールすることは大事。
数字やデータなど目で見える根拠を元に提案すれば、受け入れてもらいやすいですよ。
③ HSPは飛び込み営業など初対面のコミュニケーションに弱い?
コミュニケーションでは他人の細かい感情まで察してしまう繊細さん。
ゆえに得意な人間関係や苦手な人間関係があります。
その中でも営業となると、初対面の人との会話が増えますよね。
こういった初対面の人とのコミュニケーションでストレスを感じやすいのがHSP。
関係性が0の状態なので、相手が何を考えどう感じているかを察する労力が必要です。
知らない人と話すとドッと疲れる。
しかも強い口調で断られたり、文句を言われたらヘコむのは当然です。
悪口に関しては上手にスルーするか、物理的に早く距離を取るのが大事。
HSPが営業に向かないところ
- 断られる前提の営業は精神的に辛い
- 優しさゆえ商品を強くすすめられない
- 初対面の人とのコミュニケーションに疲れる
HSPが営業職で疲れるときどうすればいいの?
- 営業に興味があるが怖い
- 営業をしているか疲れる
こんなときは営業の種類や働き方を工夫していきましょう。
少しでも刺激を減らせば、HSPの過敏さなどで疲れにくくなりますよ。
① HSPに合う営業って?ルート営業や既存営業
仕事を選ぶ前であれば、どんな営業を選ぶかを重視します。
例えば新規営業や電話営業は、断られるのが前提で始める営業。
ガツガツと行動力があって、タフなメンタルの人に向いています。
断られるのが苦手なら、他の営業を検討しましょう。
例えばルート営業であれば、既存顧客に対するアプローチとなります。
新規営業よりも提案の機会は少ないし、先輩の引き継ぎなどがメインとなります。
ルート営業が多い業界
- 化学メーカー
- 食品メーカー
- 自動車メーカー
- IT
- インフラ
また個人営業ではなく法人営業を選ぶのも良いですね。
個人宅への営業は強い口調で断られたり、変な人もいたりします。
そういった一部の人からストレスを受けるのが怖いなら、法人営業がおすすめ。
法人営業の場合は、顧客は企業です。
相手も社会人としてのビジネスマナーをわきまえるので、無駄なストレスは感じません。
理不尽な要求や、クレームなどを受ける頻度は個人営業より少ないでしょう。
② HSPが営業するときは行動目標を設定
営業をしているとノルマなど数字に追われる日々になります。
会社の方針事態を変えることはできません。
ただあなた自身が目標を修正することは可能です。
わたしがおすすめなのが、行動目標に切り替えること。
例えば営業10件が目標であれば、それを達成するために必要な行動を挙げていきます。
その行動に集中して取り組めば、自然とノルマも達成できるようになりますよね。
ノルマが新規顧客10件の場合
- 電話営業で成功率が1%⇒1000件の電話をする
- 飛び込み営業で成功率3%⇒333件に訪問する
こんな感じでノルマを行動目標に修正します。
これでノルマという受け身な数字ではなく、自分の行動次第で解決できる数字目標になりますよ。
③ 営業以外の刺激やストレスを減らす
営業で対人関係のストレスを0にすることはできません。
成功率100%の営業マンなんて存在しないし、クライアントにイラっとすることもあるでしょう。
そこで心掛けたいのが、普段の刺激を減らすことです。
HSPにとっては日常生活の些細な刺激にも影響を受けるもの。
日常的に刺激を受けるものから優先して、五感を守るほうに気を付けてみましょう。
日常の刺激を減らす【例】
- 満員電車で臭い
⇒マスクにアロマを垂らす - 通勤中に車がうるさい
⇒ノイズキャンセリングのイヤホンを使う - 社内がまぶしい
⇒偏光グラスをかける - 社内と社外の気温差が激しい
⇒タオルケットを用意する
少しで良いので不快な刺激を減らしていく。
そうすれば1日トータルで見たときの消耗度が減っていきますよ。
HSPが営業で疲れるとき
- 働く前…ルート営業や法人営業を選ぶ
- 働いている…数字目標に切り替える・普段の刺激を減らしていく
HSPで営業を辞めたいと思ったら!3つの選択肢
自分なりに工夫したけど、やはり営業は合わないみたい。
こんなときは無理をして営業をずっと続ける必要はありません。
社内異動や転職などを将来的に検討しましょう。
実際に実行するかは別にして、ほかの選択肢があることを考えるのが大切です。
① 社内で営業がない部署に異動を希望する
営業が向かないからと、すぐ転職するのは早すぎます。
まずは社内で異動できないか考えて行きましょう。
人事面談などで異動の希望を出せば、もしかしたら希望が通るかもしれません。
ビジネスマナーやコミュニケーション力が身につく営業職。
他の部署でも活かせる場面はあるはずだからです。
② HSPが営業がない仕事に転職するときに検討したい業界
異動ができなさそうなら転職も検討しましょう。
実際に正社員として働いて、何が向いているか、何が向いていないか少しわかったと思います。
その苦手な業務が少なく、得意な業務が多い仕事が理想ですよね。
一般的にはHSPに向いている仕事は次の2つが挙げられます。
まず1つ目は事務系。
人ではなく数字に向き合う仕事です。
事務職・経理・総務などで書類の作成データ入力などを行うことになります。
2つ目はIT系ですね。
こちらもパソコンに向かってプログラミングと向き合う仕事になります。
納期などのプレッシャーはありますが、チームで取り組むので一体感は感じやすい。
社外より社内のコミュニケーションが重要になります。
③ HSPが人と関わらない仕事として在宅もある?
社内の人との関りもストレスに感じるならフリーランスという選択肢もあります。
ただいきなり実績がない状態で独立しても、誰からも仕事はもらえません。
そこで私がおすすめなのが、最初は副業として始めるという形。
今の仕事をしながらプログラミング言語など専門スキルを磨く。
その後で空いた時間で取り組める範囲内の案件を副業で始めます。
軌道に乗ってきたら退職して、本格的にフリーランスとして出発すれば問題ありません。
フリーランスはいろんな仕事や働き方に触れることができます。
飽きっぽいタイプでも、新鮮さを持って働くことができますよ。
営業を辞めたいとき
- まずは社内異動できないか相談する
- 無理そうなら転職を検討する
- フリーランス希望なら副業から始める
HSPの特性は営業だとプラスにもマイナスにも働く!
HSPの特性を見れば、営業で活きる部分もあります。
共感力や思考力などはヒアリングやプレゼンで活きる特性。
ただ一方で対人関係では、過敏さがマイナスに働く傾向にあります。
もし働く前であれば、新規営業など断られることが多い営業は避けましょう。
ルート営業や法人営業の方がHSPさんにとって働きやすい可能性が高いです。
すでに営業をしているなら、まずは働き方を変えてみること。
もしくは社内で異動の希望を出したり、将来的には転職や独立を検討すると良いですよ。
営業をやる上で、多少のコミュニケーションでのストレスは避けられません。
なので変な人の言動を上手くスルーするスキルも重要になりますね。
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