HSPだからといって、仕事ができないわけではありません。
繊細さや共感力を活かして職場で活躍している人はいます。
ただ一方でHSPの特性が悪い方に働くと、仕事でも苦戦しがち。
そこで今回は『HSPと働き方』について見ていくことにします。
まずはHSPの特性や、職場で不利に働くリスクを自覚すること。
その上で働き方を変えていき、本来の実力を発揮できる環境を作っていきましょう。
HSPだと仕事ができないって本当?
HSPの人が全員、仕事ができないわけではありません。
HSPとは”特徴”です。
その特徴がプラスに働くか、マイナスに働くかで成果が変わります。
① HSPの特性と労働について
HSPの特性は仕事にどう影響するのでしょうか。
一般的にはHSPの特性は、以下の4つであると言われています。
HSPの特性
- 考え方が複雑、深く処理をする
- 過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
- 全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
- 些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
さらに日本人の場合は、全人口の約15%~20%がHSPと言われています。
つまりHSPであること自体は珍しいことではありません。
日本の労働力人口は約7000万人ほど。
なのでHSPであっても、働いている人はたくさんいることがわかります。
先ほどの4つの特性がプラスに働く職業とは、どんなものがあるのでしょうか?
② HSPの特性が活きる仕事の特徴とは?相性のいい仕事
HSPの特性
- 考え方が複雑、深く処理をする
- 過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
- 全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
- 些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
これらの特性がプラスに働く仕事はどんなものがあるのか。
まずは共感力の高さを活かせる仕事になります。
患者の悩みに寄り添う力が必要とされる職業ですね。
共感力が必要な仕事
- カウンセラー・臨床心理士
- 鍼灸師・整体師
- マッサージ師・エステティシャン
- 医師・看護師
- 介護士
また察知力が必要な仕事は、以下のようなものになります。
人のように言葉にはできない、動植物の変化を感じ取る必要がある仕事。
動物や自然の仕事
- 農業・林業
- 花屋・植物園
- ペットトレーナー・ペットシッター
また細かい情報処理が得意な繊細さんは、モノと向き合う仕事も向いています。
正確さや誠実さが必要とされる仕事ですね。
モノと向き合う仕事
- 自動車整備士
- フードデリバリー
- 事務・経理
- 研究員
特定の分野で深い処理ができる人は、IT系でも活躍できます。
対人関係のコミュニケーションが苦手な繊細さんでも取り組めますよ。
ITやWeb系
- エンジニア
- Webデザイナー
- 動画編集
- ソフトウェア開発
これらの仕事はHSPの特性がプラスに働きやすい仕事と言えます。
HSPの特徴の、どれが当てはまるかは個人差があるもの。
あなたがどの特性を持っているかで、仕事選びの基準ができますよ。
③ HSPの特性を自覚して上手く対応するかがカギ
HSPの特性である繊細さなどは、確かに仕事でマイナスに働くこともあるでしょう。
コミュニケーションが苦手だったり、傷つきやすいと仕事で成果を出せないことも。
ただHSPだから仕事を諦める必要はありません。
まずはHSPの特性で、何が当てはまるのかを自覚すること。
その上でその特性を活かしたり、マイナスに働かないように工夫して働くことが大切です。
悪いことばかりではないので、”HSPだから”とか”HSPのせいで”などと考えなくていいですよ。
HSPは仕事ができない?
- HSPの特徴自体は仕事とは関係ない
- 特性を活かす仕事もある
- 自分の特性を自覚して対応できるかがカギ
HSPだと仕事ができない?不利な瞬間
次はHSPの特性が悪い方向へ進む状況を見ていきましょう。
どのようなシチュエーションに気を付ければいいのでしょうか?
① HSPだと仕事のミスが怖い?疲れる職場環境
HSPの特性に細かいところに気づく察知力があります。
つまり非HSPよりも、じっくりと考え判断する傾向にあるんですね。
この特性は社会に出ると、”判断が遅い”と言われる原因になります。
じっくり考えずに不安が残るまま判断することもあるかもしれません。
また職場自体が、繊細さん向けでない場合も注意が必要です。
五感の刺激が強いと、それだけで疲弊して正確な判断ができなくなるんですね。
刺激が多い職場環境
- 工事現場の近くに職場がある
- 蛍光灯が明るい
- 喫煙者がいて分煙できていない
- 交通量が多くてうるさい
- いつも従業員があわただしい
こういった焦らされる、五感の刺激が多いという職場だと、HSPさんが能力を発揮できなくなります。
結果的にケアレスミスが増えて、評価が下がってしまうんですね。
なのでまずは職場の不快な刺激を遠ざけることから始めましょう。
無駄なストレスを省けば、それだけで仕事に集中しやすくなります。
② HSPだと仕事が覚えられない?細かい部分に目が行ってしまう
HSPは細かい部分にも目がいく人が多い。
さらに共感力が高いので、真面目で優しい性格の人が多いです。
つまり完璧主義に陥りやすいんですね。
完璧主義は良いことのように見えますが、余計なストレスを生む原因にもなります。
マニュアルを全て覚えようとしたり、営業でも全てを完璧に対応しようとしたり。
必要以上の仕事をこなして体力を消耗しやすく、さらに成果にも繋がりにくくなるんですね。
大切なのはお客さん目線で、必要なことを準備して提案することです。
あなた目線の完璧さよりも、相手の目線にたってニーズにこたえるようにしましょう。
共感力を活かして、上手にこなす先輩のマネをするのもいいかもしれません。
私が完璧主義ではなく改善主義の意識で仕事に取り組んでいます。
完璧を求めずに、1つずつ改善していくスタイルを意識しているんですね。
こうすれば準備をしすぎたり、ささいな箇所に惑わされなくなりますよ。
③ HSPだと職場に馴染めない?対人関係のストレス
HSPは共感力が高いので、良好な人間関係を築くことができます。
ただ職場だと、どうしても相性が悪い人とも一緒に働くことが出てきますよ。
つまり職場で余計な対人関係のストレスを抱えることになります。
苦手な人間関係
- 上司が高圧的
- 派閥に疲れる
- 先輩と馴染めない
まずは物理的な距離を取れないか考えた方がいいですね。
少しでも一緒にいる時間を減らして、ストレスを軽減すること。
ただ職場の人間関係のストレスは0にすることはできません。
人間関係でエネルギーを使って仕事に集中できない。
こんな状態が続くのであれば、転職や独立なども将来的には選択肢になりますね。
【注意】 HSPで疲労が溜まると仕事が休みがちになる
HSPの特性が悪い方向に傾くと、体力的にも精神的にも消耗します。
その疲労をそのままにしておくと、仕事に集中できなくなってきます。
結果として体調を崩したり、早退や欠席が長引くと評価が下がる原因になるんですね。
HSP全員が仕事ができないわけではありません。
ただHSPの特性を自覚して上手く対処してないと、疲労が溜まり能力が発揮できなくなります。
それが最終的に会社からの評価が下がる原因となるので注意しましょう。
仕事ができなくなる理由
- 職場の刺激が多くて集中できない
- 完璧主義になり効率が下がる
- 対人関係のストレスで消耗する
HSPで仕事ができない自分を変える方法
ではHSPの特性ゆえに仕事で能力を発揮できないとき。
こんなときに本来の能力を出すために、何を心がければいいのでしょうか?
意識の変え方・職場環境の整え方などを見ていきましょう。
① 要領が悪いときのメモ活用法
先ほどもチラッと言いましたが完璧主義だと、余計な雑務を生みます。
お客さん目線からしたら、どうでもいいことに時間を取られてしまうんですね。
そこでまずは意識改革から始めましょう。
私が仕事に取り組むときに心掛けているのは完璧主義ではありません。
代りに完了主義と改善主義を意識しています。
つまり最初から完璧を求めないコト。
最初はとりあえず完了させることを徹底する。
その後で先輩や上司に相談して、1つずつ改善していくという流れです。
100点を目指すのではなく、70点を作る。
そのあと71点⇒72点と1つずつ改善していくイメージです。
結果的に完璧主義のときより、仕事の量や質が高くなるんですね。
その上で活用したいのがメモ帳になります。
完璧な人間なんてこの世にいません。
ミスはするし改善点は見つかるもの。
そこで大切なのは同じミスを減らすことです。
ミスをしたらメモを取って改善案を出す。
そうすれば次から同じミスをしにくくなるんですね。
メモの例
- プレゼンで誤字脱字があった⇒提出前にツールを使って確認する
- 寝坊した⇒スマホとは別で目覚まし時計をセットする
これまで同じ指示や指摘をされたことはあるでしょうか。
もしあれば、そこが改善するポイントですね。
またとりあえずメモを取ることで、頭の中をスッキリさせられる効果もあります。
HSPさんはマルチタスクが苦手なので、メモを取りシングルタスクで仕事に取り組む方が仕事の質が高まりますよ。
またメモを見返せば自身の成長を確かめることもできます。
モチベーションの維持にもなるので、メモは徹底的に活用した方がいいんですね。
② HSPで疲労による能力低下を防ぐ!
HSPさんの場合は、不快な刺激を取り除くことも大切。
余計な刺激を取り除けば、その分だけ仕事に集中できるからです。
そこでまず気を付けたいのがデスク周りの整理整頓。
視覚情報が多いとHSPは混乱するので、デスクをスッキリさせることから始めましょう。
私のオススメは”1日3つ整理すること”。
一気に綺麗にしようとすると時間も労力もかかります。
それより1日3つモノを片付けるというルールの方が習慣化しやすいんですね。
1ヶ月で90個も片付くことになるし、今後もデスクが散らかるのを防ぐ習慣が身につきますよ。
デスク周りを整理しつつ、次は五感の刺激をブロックしていきます。
職場で不快に感じる刺激を軽減できるグッズを調べてみましょう。
HSPの五感グッズ
- 職場がまぶしい…偏光グラスを付ける
- 職場がうるさい…ノイズキャンセリングの耳栓を使う
- 職場が臭い…デスクに消臭グッズを置く
- 職場の空調がキツイ…タオルケットを常備
五感を休めたとしても、HSPさんはささいな刺激で疲労しがち。
そこで心掛けたいのが、小さい休憩を習慣化することです。
休憩時間は1分でも構いません。
時間よりも回数を増やすことで、過度な疲労を取り除きましょう。
私の場合は一人になれる場所をたくさん見つけて、そこでリフレッシュしています。
小休憩する場所
- トイレで深呼吸する
- 屋上で景色を眺める
- ご飯は一人でゆっくり食べる
- 出勤と帰宅時はウォーキング
- 公園で自然に触れる
疲れてから休むのは遅いです。
疲れを感じる前に小休憩を習慣化させて、疲れにくい体を作りましょう。
③ HSPに合った仕事じゃない可能性がある
働き方や職場環境を変えても、まだ自分の能力を発揮できない
そんなときは単純に今の仕事が、あなたに合っていない可能性があります。
時間が経ってもミスが減らないときや、人間関係のストレスが改善できない場合。
このときは今後も我慢して今の仕事を続けても、状況が改善する見込みが少ないでしょう。
HSPの特性が活きる仕事への転職を考えてみるのが大事。
ただ転職するのは一大イベントなので、まずは転職活動をすることをオススメします。
転職活動は書籍を見たり、YouTube動画を見れば今日から取り組めますよね。
誰にもバレる心配はありません。
いろんな会社を知ることで、自分を客観視したり、今の職場の良いところも見つけることができます。
なので実際に転職するかは関係なく、転職活動自体にメリットがあるんですね。
HSPの働き方
- 完璧主義から改善主義に変える
(メモを活用) - 職場の刺激を減らしていく
(小休憩や便利グッズを使う) - どうしても合わないなら相性が悪い可能性がある
(将来的には転職や独立を考える)
HSPだからといって仕事ができないことはない!環境・働き方を変えよう
HSPだから仕事ができないと決まったわけではありません。
むしろ繊細さや共感力などを活かして働くことはできます。
ただ完璧主義や過敏さゆえに、能力を発揮できない状況にはなりやすいので注意しましょう。
職場環境や働き方を変えて様子を見ること。
それでも改善しない場合は、転職や独立なども選択肢に入ります。
今の職場で我慢するしかないと思っていると、ストレスは大きくなるだけ。
他にも選択肢があることを知れば、今の職場でももう少し気楽に働けますよ。
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