HSPは繊細さゆえに好奇心が高い人もいます。
ただその好奇心の高さゆえに飽き性な面が出て、仕事が続かないことも。
今回は繊細さんが長続きしない職場の特徴について見ていきましょう。
どんな仕事や働き方だと、HSPさんにとって相性が悪いのか。
逆に長く続いた仕事も知ることで、今の職場での働き方の改善もできますよ。
HSPで飽き性だと仕事も続かないことがあるのか?
HSPは繊細で小さな変化にも気づく特性があります。
そういった特性と飽き性の関連性や、仕事での影響について見ていきましょう。
① HSPの特性に飽き性ってあるの?
HSPの特性は、以下の4つ言われています。
(どの特性がどれくらい当てはまるのかは個人差があります)
HSPの特性
- 考え方が複雑、深く処理をする
- 過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
- 全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
- 些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
この特性だけを見ると、飽きっぽいイメージはありませんよね。
ただHSPさんの中には、HSS型HSPというタイプがあります。
このHSS型HSPとは、矛盾したような特徴が隠れているんですね。
HSS型HSPの特徴
- 新しい経験やスリルを求める
- 飽きっぽく、物事を続けることは苦手
- 好奇心旺盛で行動力がある
繊細さを持ちつつも、好奇心が旺盛で行動力があるタイプ。
こういったHSS型HSPの場合は、飽きっぽい面もあります。
そして仕事に飽きを感じたり、転職を繰り返すということもありえるでしょう。
② 日本の仕事の平均勤続年数は?
次は平均勤続年数を見ていきましょう。
平均勤続年数とは?
会社に在籍している従業員の勤続年数を平均にした数字
平均勤続年数と比べれば、仕事をどれくらい続けるのが目安か見えてきます。
2019年における国税庁のデータですが、平均勤続年数は12.4年でした。
(男性が13.9年、女性が10.3年)
つまり数年で仕事を何度も変えている場合は、”長く続かない”という印象を持たれるということ。
ただ勤続年数に関しては、長ければいいというわけでもありません。
職場での満足度が低ければ、我慢して働き続けても意味ないですよね。
それに数年で辞めたとしても、円満退社をして転職でキャリアアップをしている人もいます。
なので何年働いているかは、絶対の指標というより一つの目安として考えた方がいいです。
③ 仕事を辞める理由と繊細さって関係あるの?
実際に仕事を辞める理由では、どんなものが挙げられるのか。
飽きっぽさや繊細さは関係しているのでしょうか?
退職理由でよく挙がる理由は、以下の通りです。
退職理由の上位
- やりがい・達成感を感じない
- 給与が低い
- 企業の将来性に疑問を感じた
- 人間関係が悪い
- 残業・休日出勤などの拘束時間が長かった
- 評価・人事制度に不満があった
- 成長が止まった
- 社風や風土が合わなかった
- 業界・企業の将来性が不安だった
- やりたい仕事ではなかった
飽きに関連するのは、『成長が止まった』のみ。
あとは仕事や人間関係の相性の問題となります。
つまり仕事に飽きたとしても、工夫次第で辞めなくていい可能性があるということ。
働き方を工夫したり、人間関係の改善に挑戦したり、私生活で変化を加えてみるetc
自分の努力次第で”飽き”を解消できるかもしれないということです。
新しい職場がどれだけ過敏で刺激的でも、続けていれば刺激は感じなくなります。
それを”飽きた”と辞めていれば、どんな仕事を選んでもつまらなくなるかもしれませんよ。
HSPは飽き性で仕事が続かない?
- HSS型HSPだと飽きっぽい面がある
- 仕事を続ける目安は12年
- 実際の退職理由は仕事や人間関係の相性がほとんど
- つまり”飽きた”と感じても改善できる可能性がある
HSPで仕事が長続きしない理由とは?飽き性との関連性
では次に繊細さんにとって、長く続けにくい仕事とはどんなものがあるのか。
仕事内容・働き方・人間関係の3つに分けてお話しします。
先ほどの退職理由でも、この3つが上位を占めていましたよね。
そこに飽き性なHSPさんが入社すると、どんな心情の変化があるのでしょうか?
① HSPが苦手な仕事内容とは?繊細さの両面
退職理由の上位に合ったのが、仕事への不満でした。
求人情報だけではわからない、実際に入社してみないとわからない部分ではあります。
退職理由の上位【仕事編】
- やりがい・達成感を感じない
- 成長が止まった
- やりたい仕事ではなかった
繊細さんだと、複雑な仕事が苦手な人が多いです。
常にマルチタスクを強いられ、柔軟な対応を求められる仕事ですね。
でもだからといって単調な仕事を選べば、飽きやすいという面もありますよね。
それに最初は魅力的に見えた仕事も、1年~2年と続けば慣れてルーティンワークになる。
こういった仕事の不満が、退職や転職の理由になっていくんですね。
転職をして仕事を一から覚えるのも選択肢の一つです。
ただ転職となると変化がありすぎて、HSPさんにとっても負担になる。
そこで最初に試したいのが、今の職場で変化を与えることです。
例えば上司との面談で、異動の希望を出してみるなど。
同じ会社にいながら、新しい仕事ができるかもしれません。
また後で解説する副業で刺激を求める方法などもありますよ。
仕事に飽きて転職するのは良いですが、給与などが安定しないリスクも出てきます。
なので刺激を別で作って、収入の安定さを今の職場で満たすのも選択肢に入れておきましょう。
② 飽き性なHSPさんは職場の人間関係も飽きる
飽きは仕事だけではありません。
職場の人間関係でも、飽きる感覚を味わうことがあります。
特に人間関係の不満は、あなただけでは解決できない問題ですよね。
苦手な人を避けたり、会話を早く切り上げることはできるかもしれません。
でも対人関係のストレスを0にすることのは非現実的。
自分と相手のどちらかが退職しないと関係が切れないと考えると、退職の理由になります。
また繊細さんの場合は、長期間働くことで距離が近くなるのも苦手意識があります。
HSPさんが苦手な距離感
- プライベートで遊びに誘われる
- お昼休みに同じメンバーで食事をする
- いつも飲みに誘われる
- 恋人や結婚などプライベートな質問をされる
こういった人間関係が改善されずマンネリ化しているなら、退職理由となりますよね。
もしくは仕事とは別で新しいコミュニティを作るのはおすすめ。
SNS上で趣味の仲間と繋がったり、副業コミュニティを探すのも良いでしょう。
人間関係で完璧を求めるのは無謀です。
完璧を目指すと、嫌なところばかりが目についてストレスが大きくなりますよ。
③ 仕事をする生活に飽きることも?ルーティン化して飽きる
仕事や人間関係だけでなく、生活への不満が出ることはあります。
社会人としての生活のルーティンに飽きてしまう。
生活の不満
- 同じ日々を過ごすのが嫌
- このまま年を取るのが不安
- 毎日同じ生活なのが苦痛
- 企業の将来性がない
- 給与などが上がる気配がない
現状の不満が職場で解決できないと感じれば、それは退職理由に繋がります。
もちろん仕事を変えれば、企業の将来性や給与アップの可能性はあるでしょう。
ただ暮らしのマンネリ化については、また同じ不満を持つ可能性が高いです。
この場合も趣味や副業など、仕事以外であなたに適した刺激を与えるのがおすすめ。
例えば朝活をしたり、仕事終わりに習い事を始めてみたり。
小さな生活の変化を与えることで、1日全体で見たときの満足度を高めることは可能です。
飽きっぽいHSPの退職理由
- 仕事が単調で飽きた
- 人間関係が改善される気配がない
- 生活や将来への不安が高まる
- ※転職で解決できる可能性はある
- ※生活全体を見直すなどほかの選択肢もある
HSPで続いた仕事とは?飽きることへの対策
仕事で飽きを感じたら、どうすればいいのか。
飽きたからとすぐ転職をしていたら、どんな職場でも長く働くことはできません。
まずはHSPさんと相性が良い仕事を見ていきましょう。
そこから仕事で加える変化だったり、生活で適度な刺激を加えるヒントが見えてきます。
そういった努力や工夫で解決できない場合は、転職も検討するという流れが理想です。
① HSPさんが長く続いた仕事って何?
繊細さんが長く続く働きやすい業界があるとされています。
それは安心と刺激のバランスが良い職場。
例えば飲食業ですね。
マニュアルがあるので仕事が覚えやすく、未経験からでも始めやすい業界です。
接客はありますが、たいていが同じやりとりで、たまにイレギュラーな対応があるくらい。
居酒屋など酔っ払いの客の相手をしないお店であれば、繊細さんでも穏やかに働くことができますよ。
2つ目は医療・介護。
もともと共感力が高いHSPさんの特性が発揮できるのが、医療や介護の分野と言われています。
患者さんが何を思っているかをくみ取れる人は、貴重な戦力となります。
こちらも仕事は単調になりやすいけど、人との関りがほどよい刺激に。
また対人関係のストレスが少ない業界で言うと、IT系があります。
プログラミングなど専門スキルを習得して発揮できるのが魅力。
働き方はデスクワークで単調ですが、IT業界は必要な知識が常にアップデートされていきます。
そういった勉強が好きな繊細さんにとっては、働きやすいと感じる業界ですね。
② HSPにとって適度な刺激を職場で加える
仕事に飽きを感じたからと、すぐ辞めるのはもったいない。
そこで最初に試したいのが、職場で適度な刺激を加えるという方法です。
私のオススメは1日1つのチャレンジをして、仕事を効率化するというもの。
今日の仕事量を、明日以降に少しでも短い時間でこなせるように効率化させていきます。
1日1つ改善するくらいで十分。
それを毎日繰り返せば、1ヶ月単位で働き方が洗練されていくんですね。
そうして余った時間ができたら、上司に別の仕事などができないか相談してみましょう。
今までやってなかった仕事に取り組めるかもしれません。
また社内面談で部署や仕事を変えたいと伝えるのも大切です。
転職だけが仕事を変える方法ではありません。
まずは職場内で別の仕事ができないか考えて行くといいですよ。
③ 仕事以外の場所で適度な刺激を与える
仕事では安定を求め、刺激はプライベートで与えるという働き方もあります。
仕事で刺激を加えるとなると、どうしても自分でコントロールできない部分も出てきますよね。
そうなると繊細なHSPにとっては、ストレスが重くのしかかる。
そのリスクを避けるのが、仕事とプライベートの切り離すことです。
仕事に関しては安定を求めて、飽きること自体を覚悟して続ける。
仕事を早くこなしたり、先ほどの効率化をすることに集中します。
そして体力に余裕が出てきたら、プライベートで適度な刺激を与えていくステップに移ります。
プライベートの刺激って?
- 新しい趣味を始める
- その趣味の習い事などコミュニティに入る
- 副業を始める
- 引っ越しを考える
- 旧友に連絡を取る
こんな感じで私生活に変化をもたらす行動を取りましょう。
こうすれば仕事で飽きを感じていても、不満は小さくなります。
むしろ私生活で変化がある時期は、仕事はいつも通りであったほうが楽な面も。
飽きっぽいHSPの働き方
- 安心と刺激のバランスを取るように心がける
- まずは働き方や取り組み方を変える
- 人事に異動を願い出る
- 私生活で変化を与える
HSPの飽き性でも続けられる仕事や働き方は見つかる
飽き性なHSPだからといって、仕事が長く続かないと決まったわけではありません。
もちろんハラスメントなど、職場に問題行為があれば転職した方がいいでしょう。
ただ仕事の飽きで転職をすると、また同じ理由で仕事を辞めたくなります。
転職を繰り返したくないなら、まず職場でできる小さなチャレンジを見つけること。
その上で私生活で変化や刺激を求めて、仕事では安定を優先してバランスを取るのがいいかもしれませんん。
安心と刺激の適度なバランスには個人差があります。
とくに繊細さんの場合は、安心して過ごせる場所の確保は必須。
安全場所を確保した上で、適度な刺激を求めて行動してみませんか?
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