HSPの人は、喧嘩ができない人が多い印象があります。
私も自分の意見を強く伝えるのは苦手ですし、HSP仲間も穏やかな人が多い。
そこで今回はHSPさんが喧嘩が苦手な原因や、正しく自己主張する方法を見ていきましょう。
- HSPが喧嘩できない理由
- 喧嘩せず自己主張する方法
- どうしても喧嘩が絶えないときの対応
喧嘩はする必要はありませんが、自分の意見を相手に伝えるのは大事なこと。
どうすれば繊細な体質のHSPさんが、自分の意見をハッキリ伝えることができるのでしょうか?
HSPは喧嘩できない?繊細さんが喧嘩が苦手な理由
なぜHSPさんは、喧嘩できない人が多いのでしょうか。
その理由は次の5つが関係しています。
① 何か言われたときの相手の気持ちがわかるから
HSPさんは穏やかで優しい人が多いです。
それは共感力が高いから。
何をされたら相手が嫌がるかを感じ取れるので、相手が嫌がることをしません。
それがHSPさんが、周囲から慕われる理由でもあります。
ただこの共感力が高いと、強く主張しないといけないときもできなくなります。
強く主張したり、相手の意見を言い返したり。
これをされたら相手がどんな気持ちになるのかを想像して、躊躇してしまうんですね。
HSPさんがカッとなっても喧嘩にならないのは、この共感力が関係しています。
② HSPだと相手の反応も怖い
喧嘩できない2つ目の理由は、相手の反応が怖いから。
相手から何か言い返されたり、自分を否定される言葉を投げられるかもしれません。
普段から他人の言動に、過敏に反応するタイプのHSPさんに多いです。
想像するだけでゾッとして、言いたいことも言えなくなってしまうんですね。
ただこのケースは、お互いに冷静なときに話し合いをすれば防ぐことはできます。
その場で怒りを出して、お互いにカッと熱くならなければ大丈夫です。
③ HSPは喧嘩した後に相手の評価が変わるのが怖い
相手の行動で言うと、ケンカ中の言動だけが怖いわけではありません。
例えば喧嘩した後に、元通りの関係に戻れなくなる可能性もありますよね。
周囲から仲間外れにされて、学校や職場で孤立するかもしれません。
相手から『メンドクサイ人だな』と思われて、評価が下がることも考えられます。
このように喧嘩をした後に、相手の言動にも不安を覚えます。
本当は言いたいことがあるけど未来が怖くて、怒りをグッとこらえて我慢する。
HSPさんの対人関係の悩みで多いのが、この『感情を押し殺すパターン』なんですね。
④ 上手な喧嘩ができない!泣く・怒る・攻撃的になる
普段から感情を押し殺す繊細さんは、いざという時に感情を上手く出せないことがあります。
私も何度も経験があるのですが、怒ろうとしても上手く怒れないんですよね。
大人になると喧嘩せずに、お互いの主張をすることもできるようになるはず。
でも自己主張の途中で急に泣いたり、過剰に攻撃的になって相手の人格否定をしてしまう人もいます。
感情の出し方がわからないのは、普段からの経験不足のせい。
日常の中でモヤモヤしたときに、『本当はどうしたいか?本当はどうして欲しかったか』をメモすると良いですよ。
⑤ 夫婦喧嘩をしたら、その後の生活が気まずい
夫婦の場合も、HSPさんは喧嘩を躊躇してしまいます。
お子さんがいれば、子供が嫌な気分になってしまいますよね。
それにケンカ後もずっと一緒に暮らさないといけないから、会話が気まずくなりがち。
二人の間に入ってくれる人もいなければ、家庭内での居心地は悪くなりでしょう。
家でのストレスが多くなるのは、HSPさんにとって死活問題。
外出中での刺激や人間関係で疲れているのに、家に帰ってもリラックスできないのはキツイです。
本当は言いたいこともあるけど、我慢した方が良いかな
このように考え始めると、夫婦ともに喧嘩はないけど口数も少ないという冷めた関係に移ってしまいます。
冷戦状態にならないためには、相手が話し合いに応じてくれるタイプかも大切ですね。
HSPが喧嘩できない原因
- 相手が嫌がることをしたくない
- 相手からのリアクションが怖い
- 喧嘩後の関係の変化が不安
- 上手に感情を表現できない
- 夫婦喧嘩だとその後の生活が気まずい
HSPは喧嘩をする必要なし!正しく自己主張しよう
喧嘩せずに、自分の意見をハッキリと伝えられるのが理想ですよね。
そこで次は、HSPさんが取り組みやすい自己主張の方法を紹介します。
3ステップとなっていますが、慣れれば反射的にできるようになりますよ。
① 過去にモヤったことを紙に書く
まずは過去にモヤモヤした出来事を思い出して、紙に書き出してみましょう。
つい喧嘩に発展したことや、言いたいことがあったけど言えなかったことなど。
モヤモヤした出来事の例
- 家族にタバコの副流煙にイライラした
- 恋人の束縛がきつい
次はその出来事で、相手にどうして欲しかったかを書き出します。
何の制限もなく、自由に書き出してみましょう。
相手への要求の例
- タバコにいらいらした
⇒タバコをやめて欲しい - 恋人の束縛
⇒LINEの返信を催促するのを辞めて欲しい
相手に伝えるわけではないので、本音を紙に書いていきます。
紙に書くだけでも少し心がスッキリしますよ。
② 相手に何を伝えるか考える
次は紙に書いた本音を、どうやって相手に伝えるか考えて行きます。
ポイントは相手に伝える要求のハードルを下げること。
『それくらいなら、いいかな』と相手が思ってくれるレベルまで要求を下げます。
ハードルを下げる例
- 家族のタバコが嫌い
⇒せめて車ではタバコをやめて欲しい - 恋人の束縛がきつい
⇒仕事中は連絡が遅れることを理解してほしい
最初はアイデアをできるだけたくさん用意していきます。
そして『これくらいなら了解してくれそうかな』と思うものをチョイス。
まずはそのハードルが低い要求を通せるか、チャレンジしてみましょう。
③ 相手と喧嘩せず伝える方法
最後は実際に相手に伝えるステップになります。
お互いに時間に余裕があって、疲れていないタイミングを狙いましょう。
それだけでつい感情的になる可能性が低くなります。
伝え方は『私』と『あなた』をハッキリ分けること。
伝え方【タバコの場合】
- 私はタバコを吸いたくない。気持ち悪くなる
- だから外出中は好きに吸っていいけど車中では電子タバコにしてほしい
- あなたはどう思う?
伝え方【束縛の場合】
- 僕は束縛されると窮屈さを感じて辛い気持ちになる
- すぐ返信できる時間帯を最初に決めて、その時間に連絡したい
- 君はどう思う?
逆に間違った伝え方は、一般論や他人と比べること。
『タバコは健康に良くない』とか『普通の恋人はそんなことしない』などですね。
こういった主張をすると相手を否定することになります。
そうではなく『私は◯◯してほしい』と自分をベースに要求すること。
そして最後に『あなたはどう思う?』と意見を聞くことです。
相手が反論して来たら、そこから妥協案を考えて行きましょう。
妥協案の例
- 電子タバコの種類を探してみる
- 返信が遅くなるときは『遅くなる』と一言返信する
こういった自分と相手を対等に扱うコミュニケーションをアサーションと言います。
自分を尊重して相手を尊重すれば、より関係性が深まりますよ。
【補足】どうしても感情的になるならLINEもあり
どうしても会話でのコミュニケーションが苦手なら、Lineで行うという選択肢もあります。
LINEなら自分が冷静になってから内容を確認して、じっくり考えて送ることができます。
- 自己主張しようとすると泣いてしまう
- ついカッとなってイライラしてしまう
このように感情をコントロールするのが苦手なHSPさんなら、Lineの方が向いています。
ただLINEを頻繁に使うのは繊細さんにとっても負担は大きいので、そこだけ注意しましょう。
参考⋙HSPだとLINEが苦手?5つの対策で”LINE疲れ”から脱出
HSPの自己主張
- 最初はその場で言わない
- 紙に書いて頭を整理する
- アサーションを意識して伝える
HSPがつい喧嘩してしまう相手とのつき合い方
頭ではわかっていても、つい感傷的になり喧嘩してしまうことはあります。
つい喧嘩してしまうこと自体で、自分自身を責める必要はありません。
ただいつも同じ相手にイライラするなら、相性が悪い可能性が高いです。
そこで最後に『ケンカが続く相手への対処法』をお話ししますね。
① 喧嘩が長引く相手とは物理的な距離を取る
相性が合わない人と、無理をして一緒にいる必要はありません。
最初に心掛けたいのは一緒にいる時間を減らすこと。
今後一生会わないようにできるなら、それが理想です。
ただ家族や職場や学校では、一緒にいる時間を0にするのは難しいですよね。
そこで『できるだけ減らす』方法を考えて行きます。
物理的な距離の取り方
- 違うグループと仲良くなる
- 相手が苦手な人と仲良くなる
- 会話は最低限にとどめる
- LINEなどネットでやりとりを増やす
相手との相性が悪いのはあなたのせいではありません。
特にHSPさんの場合は、合わない人と一緒にいると疲れやすいです。
上手に避けて、精神的な負荷を減らしてあげましょう。
参考⋙HSPと合わない人を避けて波長が合う人との巡り合う方法
② 相手との精神的な距離を取る
物理的な距離を取ったあとは、精神的にも距離を取ります。
方法は境界線を引くというもの。
これは昔に流行った『嫌われる勇気』という本でも紹介された、という心理学です。
自分と相手の境界線をハッキリさせて、どちらも課題かを意識する。
この課題の分離を行うことで、自分の領域を認識しやすくなるんですね。
共感力が高くて疲れやすいHSPさんにもオススメの考え方になります。
『相手は○○すべき』といった希望は、『○○してくれない』という不満につながります。
逆に相手への期待を捨てることができれば、相手にイライラすることもなくなります。
相手の言動は変わらないのに、自分が感じるストレスが減っていくんですね。
苦手な人を上手く避けなければ、HSPさんは対人関係でどんどん悩むようになります。
すると繊細さゆえに人間関係リセット症候群にもなるので要注意。
③ 喧嘩しない新しい人間関係を作る
人間関係を減らしたり遠ざけたら、その分だけ別の交流を持ちましょう。
嫌な人間関係だけを減らしていけば、それが続くと孤立しやすいです。
孤立しないためにも、新しい人間関係に顔を出したいですね。
おすすめなのは、特定のテーマについて熱く語り合える人を見つけること。
何でも話し合える親友が見つかれば良いですが、現実的には難しいです。
でも『家族』『仕事』『趣味』『HSP』など特定のテーマで語り合える友人なら簡単に作れます。
仕事なら副業を始めると決めてSNSのアカウントを作れば、『副業仲間』ができます。
HSPもTwitterなどのタグから検索すれば、同じ境遇の人を見つけやすいでしょう。
HSPさんは無理に喧嘩する必要はない!ただ自己主張は必要
攻撃的な言動をするのもされるのも苦手なHSPさん。
なので無理に喧嘩をする必要は全くありません。
ただ嫌なときや大切な状況では、しっかりと自分の意見を伝えることは意識しましょう。
自己主張がないと、どんどん都合よく扱われていきます。
都合よく扱われると、人と会うだけで疲れてしまうので、イライラするという悪循環になりますよ。
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