HSPだから数学が苦手というわけではありません。
分析が得意な繊細さんは、算数や数学が得意な場合もあります。
(私も得意科目は数学でした)
ではなぜ数学が苦手だと感じるHSPさんもいるのか。
今回はHSPと数学力について考えて行きましょう。
周りの刺激や他人の言動が気になるので、勉強に集中できないと悩んでいるかもしれません。
そんなときのオススメの環境作りや、数学を勉強するときに意識するポイントを解説します。
HSPだと数学苦手とは限らない?得意な人もいる
まずHSPの特性や、数学が得意な人の傾向を見ていきましょう。
HSPの特性が良い方向に向くか、悪い方向に向くかで決まります。
① HSPの特性と数学の関係性
HSPは「Highly Sensitive Person」の略です。
生まれながらにして感受性が高く、繊細な気質を持つ人のことを言います。
そして人口の5人に1人の割合でHSPが存在すると言われています。
なので”HSP=数学が苦手”とか、”HSP=数学が得意”というわけではありません。
例えばHSPには「DOES(ダス)」と呼ばれる特性があると言われています。
その中の”D”はDepth of processing「深く思考する」という特性。
これは数学力を高めるために重要な特性だと思いませんか?
一方で”O”はOverstimulation「刺激に対して敏感」という特性です。
これは周囲の環境や他人の言動に過敏に反応してしまうというもの。
この特性に振り回されると、勉強に集中できない時間が長くなってしまいます。
数学を解いていても、計算ミスなどケアレスミスが増えるかもしれません。
大切なのは自分がHPSの中でも、どんな特性が強いかを知ること。
そしてそれを上手に活かしたり、上手く付き合っていく方法を知ることが重要になります。
② 数学が得意な人と苦手な人の違いは?HSPと関係ある?
数学が得意な人にはいくつか共通点があると言われています。
数学が得意な人
- 公式を理解してから覚える(インプットの質)
- 演習の量が多い(アウトプットの量)
- 計算時の集中力が高い(ミスが少ない)
公式を覚えるだけではなく、意味を理解する。
これで問題を解くときに応用が利くようになります。
さらに演習をこなすことで、公式や解き方を記憶に定着させることができます。
集中していたら、その分だけケアレスミスも少なくなりますよね。
インプットやアウトプットに関しては意識するだけで改善されます。
ただHSPで気を付けたいのは、集中が切れないようにすること。
周囲の雑音に意識が向くと、それだけ計算が遅くなったりミスが出るもの。
耳栓や呼吸法などを取り入れて、目の前の問題に集中できる工夫をしたいですね。
(具体的な方法は後で解説しています)
また数学は受験や試験などでは、部分点を取れるかが重要になります。
なので完璧主義となり、1つの問題にこだわって時間配分が乱れるなども気を付けましょう。
【個人談】数学は得意だったが受験では苦戦した理由
私自身はHSP気質がありますが、数学は苦手ではありませんでした。
むしろ主要教科の中では教科別偏差値が一番高いのは数学でしたね。
ただ過去問や受験となると苦戦したのを覚えています。
まず1つ目は、先ほども言ったように時間配分ができなかったこと。
解けそうだけど時間がかかるものに取り組み、他の簡単な問題が解けずに終わることもありました。
なので試験が始まったら、まず全問を見るようにしたんですね。
その中で短い時間で溶けそうな順に取り組むようにしていました。
またHSPの特性でいうと、心配性というか不安が強い傾向もあったんです。
なので計算を何度も確認したりして時間を無駄に使っていたんですね。
これも”演算は1回まで”とか、”先に全ての問題を解いてから確認する”などのルールで対応。
いろんな問題を考えると頭が混乱します。
なので目の前の問題にいかに集中するかを考えていました。
HSPは数学が苦手?
- HSPの特性がプラスに働くこともマイナスに働くこともある
- 分析能力が高い繊細さんは数学が得意な傾向がある
- 不安からくる時間配分の乱れなどにも注意が必要
HSPで数学が苦手なとき!数学を勉強するときの流れ
では繊細さんが数学を勉強するときの全体の流れを見ていきます。
勉強する環境の作り方や、勉強の仕方(全体像)、休息の取り方を解説しますね。
数学だけに限らないので、他の強化の勉強にも応用してください。
① 数学を勉強するときは集中が途切れる刺激をシャットアウトしよう
私たち自分の意志で集中することって、簡単ではないですよね。
でも集中が途切れる刺激を遠ざけることは、今すぐに取り組めます。
特にHSPさんにとっては、五感への刺激を遠ざけましょう。
- 視覚…カーテンをする
- 聴覚…耳栓をする
- 気温…重ね着をする
聴覚過敏であれば耳栓をおすすめします。
ただ受験に備えるという意味では、試験当日の雑音に慣れるのも大事。
私は受験年だけ勉強中に試験音をYouTubeで流して勉強していました。
この音に慣れると試験当日も集中が持続しやすいですよ。
② 数学を勉強するスケジュールを組むときに役立つ”比率”とは?
効率的な勉強を続けるときは、次の2つの比率を意識すると良いですよ。
集中して勉強できるスケジュールが立てられます。
まず1つ目は勉強時間と休憩時間について。
これは集中力を考えると、「勉強25分:休憩5分」がいいと言われています。
集中できる時間は限りがありますが、25分:5分でサイクルを作ると持続しやすくなります。
数学の勉強を20分くらいでできるように区切っておくと良いですね。
次は記憶に定着させる比率について。
数学の解き方や方程式など、記憶に定着するには何度も復習する必要があります。
アウトプットを繰り返し、学んだことを確実に記憶に残しましょう。
そのための復習のタイミングは、『1日後・4日後・7日後』が良いと言われています。
過去に覚えたことを忘れそうなタイミングで復習すると、定着しやすいということ。
③ 数学で疲れた頭をリフレッシュ!無心になれる休息をとろう
勉強したあとは上手な休息を取りましょう。
スマホでSNSやゲームをすると、頭を使うので効果的な休息とは言えません。
体を動かしたら寝るのと同じで、頭を動かしたらボーっとする時間が必要。
そこでオススメなのがマインドフルネスという瞑想です。
深呼吸しながら呼吸に意識を向けるというもの。
ストレス緩和や、集中力を高める効果もあるので一石二鳥の休息法になります。
布団に入ってから寝付くまでの間、深呼吸をするくらいで構いませんよ。
できれば部屋も片づけておいた方が良いですね。
部屋にものが多いと、片付けや掃除する手間が増えるので。
時間に余裕があるときに、部屋をスッキリさせると勉強にも身が入りますよ。
数学を勉強するとき
- 五感の刺激をシャットアウトする
- 勉強25分につき5分の休憩を取る
- 復習は1日後⇒4日後⇒7日後と少しずつ期間を開けて行う
- 寝る前は深呼吸して頭をボーっとさせる
繊細さんで数学が苦手なとき!得意になる必要はない
数学を解くとき、どのようなことを意識すればいいのか。
少しでも苦手意識を減らすには、数学力の仕組みを見ていきましょう。
数学の基礎は“公式の理解”⇒”暗記”⇒”計算の正確性”で作られます。
① 公式は覚える前に理解しよう
公式そのものを暗記しても、使えるようにはなりません。
その公式がどのように成り立っているのか、それを理解するのが先。
そうすれば応用が利くし、公式を忘れたときも覚え直すのが楽になります。
単純に覚えようとすると、応用が利かず苦手意識が芽生えるので注意。
問題文についても難しい言い回しが出たときに、「結局何をすればいいか」理解するのが先です。
わからないときは数学が得意な同級生や先生を頼りましょう。
ヒントというか問題文をかみ砕いて説明してもらうと、次に似た問題があったときに溶けるようになります。
② 高校数学までは公式と解法パターンの記憶が良い
数学者になるわけではないので、学生のときに出てくる数学の問題には全て答えがあります。
つまり問題が出たときに使う公式と解法に、パターンがあるということ。
なので理解をしたあとは、暗記が重要なステップになるんですね。
高校数学は各単元ごとに頻出の問題パターンも傾向があります。
それらの問題への解き方を覚えておけば、テストで点も取ることができますよ。
記憶に定着させるには、先ほど言ったように『1日後⇒4日後⇒7日後と復習すること』
さらに夕方や夜に記憶をすると定着しやすいという研究結果もあります。
これはその後の睡眠で記憶を整理してくれるから。
HSPだと刺激があって、質の高い睡眠をとるのも難しいかもしれません。
そんなときは以下の記事も参考にしてください。
③ 数学を解くときは計算ミスをしない範囲でスピードを上げる
高校数学は試験や受験については、時間との勝負でもあります。
“解き方がわかっていたけど時間が足りなかった”ということも多い。
そこで最後のステップとなるのが、計算スピードを上げるというもの。
ただ前提となるのが、ケアレスミスをしない範囲内でスピードを上げることです。
焦って速さだけを追求すると計算ミスが出て、途中で解けなくなるんですね。
するとどこが間違っているかを確認する時間を費やしてしまう。
オススメの方法は、過去にしたケアレスミスをメモしておくこと。
そうするとどの場面で計算ミスしやすいか事前にわかるので、そこだけ慎重に計算することができます。
なので普段から手を動かして問題を解いて訓練することも重要です。
また過去問などを少し早い時間で区切って解き、テスト当日に備えるという方法もありますよ。
数学の取り組み方
- 公式の成り立ちを理解する
(問題文も複雑なら翻訳してもらう) - 公式や解く方法を暗記する
- よく行るケアレスミスをメモして覚えておく
HSPだから数学が苦手とか得意はない!分析力の高さを活かそう
HSPだからといって数学が苦手とか得意は決まりません。
ただHSPの特性である分析力の高さを活かすことはできます。
あとは周囲の刺激に弱いことを自覚して、グッズなどを使い集中できる環境を作ること。
繊細さという特徴は良い方向にも悪い方向にも転びます。
自分自身を知って上手く扱うことができたら、数学力も鍛えることはできますよ。
コメント