HSPだからといって、働けないわけではありません。
HSPは”繊細さ”という気質の問題。
病気などではないので、問題なく社会で働くことができます。
ただ繊細さや過敏さが原因で、働くのが怖いとか、働いていて辛いと感じる瞬間はあるんですね。
そこで今回は『HSPで働けないと悩むときのアプローチ』について解説。
働く前の不安・仕事中の悩みの2つに分けて対処法をお話しします。
働けないと思う時は、まず悩みを具体化すること。
そして上手に手を抜いたり、細かく休憩を取ってあげることから始めましょう。
HSPだから働けない?繊細だと仕事が怖い理由
HSPだから働けないということはありません。
ただ繊細さと過敏さが、仕事をする上でマイナスに働くことはあります。
職場環境・就職前・就職後の3つで、繊細さが悪い方向へ働く具体例を見ていきましょう。
① HSPの特性で働けない職場環境はある
HSPはあくまで気質の問題。
非HSPより繊細で敏感というだけです。
ただその特性と、相性が悪い職場というものがあるんですね。
HSPの特徴
- 考え方が複雑、深く処理をする
- 過剰に刺激を受けやすい、敏感で疲れやすい
- 全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
- 些細な刺激を察知する、あらゆる感覚がするどい
例えば常に騒音や強い光があるような場所。
カラオケや工事現場やパチンコ店などは、HSPの人は働きにくいでしょう。
また多くの人から注目されるような仕事も、繊細さんには不向きです。
他人からの些細な言葉や行動に傷つきやすいからですね。
このようにHSPの特性と合わない仕事は存在します。
グッズなどを使って、職場から受ける刺激を減らす努力が必要。
それでもストレスを感じるなら、将来的には転職や独立を検討したほうがいいかもしれません。
② 【就職前】HSPで働くのが怖いと感じる瞬間
働く前の不安や恐怖も、HSPだと感じやすいです。
HSPの特性の1つに思考力があります。
ものごとを深く考える能力ですが、それが不安や緊張を大きくしてしまうんですね。
働くのが怖い理由
- ブランクが長いから自信がない
- 働いたことがないから怖い
- 就職活動や面接が苦手
- 職場の人間関係が不安
- 過去にパワハラを受けた
このように次から次へと就職することへの不安が押し寄せてきます。
こんなときはステップに分けて、1つずつ就職活動へ取り組むのがおすすめ。
詳しくはあとで解説しますが、リサーチ・訓練・就活と分けて取り組みます。
HSPの特性を活かしつつ、働くことに慣れて自信をつけることができますよ。
③ 【就職後】HSPで働くのが辛いと感じる瞬間
働いたあとも、繊細さゆえに辛いと感じることはあります。
社会人が仕事で感じる不満は、働き方・人間関係・仕事内容になります。
HSPが感じやすい職場の不満は以下の通りです。
働き方の不満
- 頑張っているのに評価制度が曖昧
- 休みが少ないので疲れが取れない
- 疲弊して週5の8時間勤務が辛い
人間関係の不満
- 上司が高圧的で合わない
- 派閥などがあり疲れやすい
- クレーム処理など電話業務が苦手
仕事内容への不満
- 仕事ができない自分へ自己嫌悪を感じる
- 責任が重いからストレスを感じる
- 仕事にやりがいを感じない
HSPは真面目でコツコツと働ける人が多いです。
ただそれゆえに、職場で不満を感じることもあるんですね。
こういった働く上での辛いことは、まず悩みを書き出すことから始まります。
そして少しでも悩みを改善できないか、手を動かしながら考えて行きましょう。
(この方法もあとで解説しています)
HSPは働けない?
- 特性と職場環境が合わないとキツイ
- HSPだと働く前の不安を感じやすい
- 働いている間も繊細さゆえの不満が出る
HSPで働けないとき!働くのが怖い繊細さん向けの職場探し
まずは就職前の不安について見ていきましょう。
働く自分が想像できないときは、少しずつ成長して自信をつけるのが大事。
いきなり正社員というルート以外にも、働く方法はたくさんありますよ。
① HSPに合う仕事をリサーチをしよう!気になる企業の調べ方
まずは自分に合う会社がないかリサーチすることから始めます。
そうはいっても働いた経験がなければ、いくら調べても漠然としたままですよね。
そこでまずは、HSPに合うと言われている仕事に注目しましょう。
HSPの特性が活かせる仕事から見て、興味がある仕事がないか振り分けていきます。
まず1つ目は、HSPの共感力を活かせる仕事ですね。
他者の気持ちを理解して寄り添うことができる繊細さんの能力が発揮できます。
① 共感力が活きる仕事
- カウンセラー・臨床心理士
- マッサージ師・整体師
- コーチング
2つ目は、人以外の生き物に係る仕事になります。
対人関係で疲労しやすいHSPさんに向いている仕事と言えます。
騒音などもなく、静かな環境で働くことができますよ。
② 生き物と向き合う仕事
- 花屋・植物園
- 農業・林業
- トリマー・ペットショップ
- ペットシッター・動物園
3つ目はモノと向き合う仕事です。
真面目で正確さを評価される繊細さんに向いている仕事ですね。
コミュ力に自信がなくても、仕事で評価してもらえるチャンスがありますよ。
③ モノと向き合う仕事
- 工場の軽作業
- 自動車整備士
- フードデリバリー
- 宅配業務
- 事務(経理,総務)
- 研究員
- Webデザイナー
- プログラマー
気になった仕事があれば、次は会社の評判を確認していきます。
お客さん側の口コミや、従業員の評判をチェック。
特にお客さん目線の口コミは、従業員の態度や対応が正直に書かれているのでGoogleマップなどで調べる価値があります。
その中から気になる企業を絞ったら、実際に下見をしてみましょう。
お客としていける仕事なら、その職場にお邪魔することができます。
それができない仕事でも、職場の近くへ行ったり働いている人の姿を確認することは可能。
自分の目で見て『この人たちとなら働けそう』と思えたら、不安も薄まりますよ。
② HSPで働くのが怖いときは経験を積もう
働くのが怖いのは誰だって同じです。
ただ経験が不足していると、人一倍の不安を感じるはず。
そこでHSPさんにオススメなのが、経験を積むという方法です。
自分に合った負荷で働き方を選んでいく。
自信がついたら次のステップへ進み、最終的に正社員(フルタイム)を目指すという方法ですね。
例えば働いた経験がない場合は、職業訓練を受けてみましょう。
ハローワークで、パソコンスキルやビジネスマナーが学べるようになっています。
WordやExcelなどの基本的なパソコンスキルを習得できますよ。
その上で次は、短期的に仕事に取り組んでみます。
例えば短期バイトや在宅ワークなどですね。
自信がついてきたら、長期バイトや派遣などを検討しましょう。
フルタイムと同じくらい働けたら、もう大丈夫です。
このように今の自分に少し負荷がかかる働き方から選び、訓練していくのが良いですよ。
③ HSP向けの就職活動ってあるの?
正社員としての仕事を探しているなら、就活サイトを使うことになります。
ただ一般的な就活サイトだと、選考に落ちること多いんですよね。
失敗への耐性が低い繊細さんだと、立ち直れないショックになるかもしれません。
そこで検討したいのが、他の就職活動になります。
例えば企業が応募する、スカウト型の就活サイトを使う。
企業から就活生にアプローチするので、あなたを欲しがる業界や企業の傾向もわかります。
スカウト型のサイト
- OfferBox
- キミスカ
- JOBRASS新卒
さらに就活アドバイザーがついてくれる、エージェント型の就活サイトもあります。
あなたの長所や適性を見極めて企業を紹介してくれますよ。
プロである第三者からのアドバイスは貴重となります。
エージェント型のサイト
- レバテックルーキー
- マイナビ新卒紹介
- type就活エージェント
あとは正社員登用のバイトに応募するという方法もあります。
これらは本当に仕事が自分に合っているのか確かめることができますよね。
働く自信がない場合は、アルバイトから始めるという選択肢もありますよ。
働くのが怖いとき
- HSPに合う仕事をチェックする
- 気になった企業を利用したことがある人の口コミを見る
- 職場の近くまで行き実際に働いている人を見る
- アルバイトや派遣などで経験を積む
- 就活はエージェントやスカウト型も使う
HSPで仕事がつらいと感じたときの生活の整え方
次は働いている中で感じる、繊細さんの辛い瞬間を見ていきます。
仕事で辛いと感じるとき、どのような解決策があるのでしょうか?
まずは今の職場で働くことを前提に対策を練ります。
ただそれで解決しそうにないときは、転職や独立も考えて行きましょう。
① 今の職場でストレスや悩みを少しでも減らす方法を考える
今の職場で感じる不満やストレスを全て書き出していきましょう。
頭の中だけで考えると、ずーっと同じことをグルグルと悩みがち。
紙に書くことで、頭もスッキリして解決策などを考える余裕ができますよ。
悩みを紙に書こう
- 上司が苦手で気を遣う
- 何度も同じミスをしてしまう
- 給与が低い
- 職場がうるさい
- 部屋がまぶしい
- 仕事量が多すぎる
紙に書きだすと、解決できる悩みと、解決できない悩みが出てきます。
まずは解決できそうな悩みについて、案を出していきます。
解決できるかもしれない悩み
- 同じミスをしてしまう
⇒メモを取り忘れないようにする - 給与が低い
⇒副業を調べる - 職場がうるさい
⇒ノイズキャンセリングの耳栓を使う - 部屋がまぶしい
⇒偏光メガネをかける
“悩みが0の職場”というのは残念ながらありません。
ただ五感の刺激など、HSPならではの悩みはグッズで軽減できます。
仕事量が多い場合もシングルタスクにして、1つずつ集中すると成果が上がりますよ。
例外として以下のような悩みがあれば、早めの退職を検討しましょう。
あなたに問題がなく、職場に問題があるので。
すぐに退職すべき悩み
- パワハラがある
- 休日出勤やサービス残業がある
- 心身に不調が出ている
② 仕事中や仕事以外で自分を癒す回数を増やす
仕事で解決できない悩みはあります。
そこで次に心掛けたいのが休憩を取ること。
HSPにとって休憩はとても大事な要素になります。
普段から周囲の刺激で疲労しやすいから、短時間の休憩を何回も取りましょう。
私は仕事中に、以下のような休憩を取っています。
仕事中の休憩
- 自動販売機で珈琲を飲む
- 昼休みは少し遠くのコンビニへ
- 通勤・帰宅時は公園など自然を歩く
- トイレの個室へ入る
数分間で良いので、1人になれる時間を作ること。
それを何度も繰り返せば、ストレスによる消耗を回復させることができます。
そして仕事がない時間帯も、自分を癒す時間を作りましょう。
HSPさんの場合は、ほんの小さな刺激で十分な変化を感じることができます。
自分を癒す方法
- マッサージグッズを買う
- 寝る前に腹式呼吸をする
- YouTubeを見てヨガを試す
- 映画や音楽で涙活をする
- スマホを持たず公園や神社へ散歩
HSPさんは普段から疲れやすい体と心を癒すことを意識する。
それだけで繊細さが、仕事でマイナスに影響することを防ぐことができます。
ストレスを解消させておかないと、動揺や焦りなど繊細さが悪影響になりますよ。
③ HSPに合わない仕事や職場であれば別の働き方を探す
働き方を変えても状況が良くならない。
そんな職場でこれから先も、ずっと働くのは辛いですよね。
なので状況が良くならないのであれば、将来的には転職などを検討した方がいいです。
すぐに仕事を辞める必要はありません。
ただ転職の準備をすることで、『今の仕事も辞めて構わない』と思えるようになります。
『今の職場で働き続けないといけない』と考えるよりストレスが減りますよ。
例えば今の職場の不満がない仕事を探してみる。
もしくはフリーランスなどになりたいなら、ITの勉強をしたり、副業から始めるのも良いでしょう。
求人サイトを見たり、WEBの勉強をするのは、今の職場の人にもバレる心配はありません。
一人でこっそりと始められる転職活動の方が取り組みやすいですね。
あとは、ひとり暮らしだと倹約して貯金をしておくのも大切です。
転職先がすぐ決まるとは限らないので。
仕事が辛いとき
- 悩みを全て書きだす
- 改善できる悩みだけ選ぶ
- 少しでも状況が改善する方法を考える
- 仕事中に短時間の休憩を何回も取る
- 仕事以外で自分を癒す時間を作る
- 将来的には転職も視野にいれる
HSPだから働けないことはない!自分を知って苦手な状況を避けよう
HSPだから働けないことはありません。
HSPは繊細さという気質なので、問題なく仕事に就くことはできます。
ただ仕事を始めることに不安を感じたり、働いてから悩みを持つことはあるんですね。
もし仕事を始める前の不安があるなら、少しずつ慣れていく方法を取りましょう。
HSPに向いている仕事を探し、アルバイトや派遣などで働く習慣を作るのがおすすめ。
仕事中の悩みに関しては解決できるかもしれない悩みと、解決できない悩みがあります。
HSPに関連する五感の刺激は、グッズを使って軽減することは可能。
ただ対人関係など解決しにくい悩みは、将来的に転職などをするしか解決はできないかもしれません。
周りにバレない範囲内で転職活動や準備をすることで、今の職場へのこだわりを減らすことはできますよ。
次はこちら⋙40代のHSPが仕事で気を付けることは?
次はこちら⋙HSPで完璧主義だとヤバい?完璧主義のリスク
コメント